抗酸化28 動脈硬化とコレステロールの関係

がんに次いで死亡数が多いのは心疾患(心臓病)と脳血管疾患で、この二つを合わせるとがんに迫る勢いとなっています。心疾患と脳血管疾患は動脈硬化によって引き起こされるものであるので、日本人の死因の第2位は動脈硬化といえます。

動脈硬化は加齢によって徐々に起こっていきます。その加齢以上に早く進むのが病的な動脈硬化となっています。動脈硬化は、動脈の血管壁が硬くなり、弾力性が失われていくとともに、血管の内径が狭くなって血流が低下していくようになります。

その大きな原因として、血液中のコレステロールが多くなりすぎる脂質異常症(高LDLコレステロール血症)があげられています。血液中のコレステロールが過剰になると、血管壁に付着しやすくなり、付着した部分の血管壁の細胞は新陳代謝が悪くなり、細胞の再生が遅くなって、血管が徐々に硬くなっていきます。

活性酸素は血液中のLDL(低比重リポ蛋白)を酸化させます。LDLは、細胞膜の材料となり、脂肪を分解する胆汁酸やホルモンの原料となるコレステロールを全身に運ぶトラックの役割をしていて、LDLが増えると動脈硬化のリスクが高まることから、悪玉コレステロールとも呼ばれています。

これに対して血管内で余分となったコレステロールを集めて肝臓まで運ぶ役割をするのがHDLです。血液中のコレステロールを減らすことから善玉コレステロールとも呼ばれています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕