糖尿病は、血液中のブドウ糖が高濃度になる病気です。高濃度になっても初期段階では特に自覚症状はなく、もちろん痛みを感じることもなく、息切れが起こるといった気づきやすいことは何もありません。
しかし、血糖値(血液中のブドウ糖の値)が高い状態が長期間続くと、血管細胞の新陳代謝が低下して、徐々に血管が硬くなり、弾力性も弱くなっていきます。これは古くなったゴム管がボロボロになっていくのと似た状態で、もろくなった血管は元には戻りにくく、細胞に新鮮な酸素と栄養素が充分には送られなくなります。
また、細胞から排出された二酸化炭素と老廃物の処理も遅れるようになって、全身の細胞に影響を与えることになります。
糖尿病の三大合併症である網膜症、腎症、神経障害は、網膜、腎臓、神経細胞という細くてもろい細小血管が密集している器官で起こります。これらの弱い血管は高血糖の影響を受けやすく、障害も出やすくなっています。
血糖値を低下させるホルモンのインスリンは膵臓から分泌されていますが、膵臓は活性酸素に侵されやすい器官であるため、高血糖によって機能が低下していきます。膵臓の機能が低下すると、インスリンの分泌量が減るために、ますます血糖値が上昇しやすくなり、活性酸素の発生量が増えるというように悪循環になっていきます。
糖尿病患者の尿を検査すると、一般の人よりも抗酸化成分のビタミンやミネラルなどの量が少なくなっています。これは酸化成分が使われて減少した結果といえます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕