抗酸化45 抗酸化成分の種類と働き8

〔リコピン〕
果物や野菜の赤い色素のカロテノイドで、ビタミンEの約100倍、β‐カロテンの約2倍の抗酸化力があります。LDL酸化抑制作用、がん細胞増殖抑制作用があり、心臓疾患や脳血管疾患の予防に効果が認められています。体内では前立腺に多く存在し、多く摂取すると前立腺がんが減少するとの報告があります。

食品では、トマト、ピンクグレープフルーツに多く含まれ、完熟トマト、トマトジュース、トマトピューレには特に多く含まれます。脂溶性のため、食事と一緒に摂ることで吸収されやすくなります。

〔りんごポリフェノール〕
りんごの皮に多く含まれるポリフェノールで、強い抗酸化作用があります。熟す前の未熟果の皮に特に多く、これがサプリメントの素材となっています。りんごポリフェノールはカテキンが複数つながったプロシアニジンが主成分で、多く結合することによって抗酸化作用が高まっています。血流促進、口臭予防、美白効果、アレルギー抑制などの効果も認められています。

〔ルテイン〕
ブロッコリーやケール、マリーゴールドなどに豊富に含まれる眼に多く存在している抗酸化作用のある黄色の色素のカロテノイドで、眼の網膜の黄斑部や水晶体のほか、乳房、子宮頸管部に蓄積されています。

体内には約20種類のカロテノイドが存在していて、黄斑部にはルテインと、ルテインから合成されるゼアキサンチンだけが存在しています。カロテノイドが黄斑部と水晶体に蓄積され、活性酸素による酸化から眼を守っています。

紫外線を直接受ける網膜と水晶体は活性酸素が発生しやすく、活性酸素が多く発生することで、加齢性黄斑変性症や白内障のリスクが高まっていきます。ルテインは日光による眼のダメージを防ぎ、黄斑変性症や白内障のリスク低減などの作用があります。

食品では、ホウレン草やブロッコリー、ケール、スイートコーンなどの緑黄色野菜や卵黄、果物の桃、オレンジなどに含まれているものの、これらの食品の含有量は少なく、ハーブとして知られるメキシコ原産のマリーゴールドの花弁に最も多く含まれています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕