抗酸化6 筋肉の種類による違い

前回(抗酸化5)は2種類の筋肉(白筋と赤筋)について概要を紹介しました。

白筋は、その名の通り白く見える筋肉で、主に糖質を燃焼させて強い力を短時間のうちに発揮できる筋肉となっています。

白筋は短距離走やウエイトリフティングなどの瞬発系の無酸素運動を行うのに適した筋肉で、白筋を刺激するには重いダンベルを使った運動やスクワットなどの高負荷運動を低回数行うのが効果的です。これによって白筋の筋繊維を肥大させて筋肉を増やし、瞬発系の身体にしていくことができます。白筋は早く動くための細い筋肉で、速筋とも呼ばれています。

これに対して赤筋は赤く見える筋肉であり、ブドウ糖や脂肪酸を代謝させる筋肉で軽い負荷の運動を継続的に行うのに適した筋肉となっています。細胞内ではミトコンドリアで多くのエネルギー物質のATPが多く産生されています。

長距離走や水泳、自転車競技などの有酸素運動を行うのに適した筋肉で、赤筋を刺激するにはジョギングや身体に無理がかからない程度の低負荷運動を高回数行うのが効果的です。これによって赤筋を増やし、持久系の身体にしていくことができます。赤筋は、早くは動けないものの時間をかけてゆっくりと動くのに適した太い筋肉で、遅筋とも呼ばれています。

骨格筋など筋肉が多い人ほど赤筋が多く、代謝が高まって、太りにくく、やせやすいというのはミトコンドリアの数にも関係しています。

ミトコンドリアを増やすには、ミトコンドリアが多く存在する筋肉が活発に動いてエネルギー代謝が盛んになることが必要となります。筋肉運動は白筋(速筋)が主に使われる無酸素運動と、赤筋(遅筋)が主に使われる有酸素運動に大きく分けられますが、ミトコンドリアは酸素を取り込んでエネルギー代謝を行うことから、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を定期的に行うことで増やすことができます。

ミトコンドリアによって生産されたATPが活動のために足りているときにはミトコンドリアは増えにくくなっていますが、運動によってATPが不足すると、ATPを増やすためにミトコンドリアの分裂が始まります。

このことから、ミトコンドリアの数を増やすためには、ATPが多く使われるように息切れするほどの速度で早歩きするなどの身体に負荷がかかる有酸素運動がすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕