支える人を支えるための自分でできるツボ療法

発達障害児を支える母親と、発達障害児を預かる施設のスタッフのために、私たちが取り入れているのは“自分でできるツボ療法”です。これを紹介すると、よく「治療院のジャマをしているのでは」と言われるのですが、治療院が必要な方は積極的に利用してもらって、その間を埋める方法として日常的にできるツボ療法として取り入れるようにしてもらっています。
自分でできるツボ療法は、国家資格に基づいて研究しています。資格の名称の名称としては、よく鍼灸師という表示がされていますが、これは“鍼師”と“灸師”の2つの資格を合わせた呼び名で、療法の資格を持っている方が多いことから鍼灸師という呼び方もされています。
もう一つ混同されやすいのが、です。治療院には、あん摩師、マッサージ師、指圧師という資格者の表示をしているところもあるので勘違いしがちですが、国家資格名は“あん摩マッサージ指圧師”です。あん摩だけをする人も指圧だけをする人も、国家資格のあん摩マッサージ指圧師が必要となっているのです。
自分でできるツボ療法を指導する日本メディカルダイエット支援機構のメンバーは、鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師の3つの国家資格を有しています。どれにも共通しているのは、東洋医学のツボを使っていることです。ツボは正式には経穴といって、身体の表面に現れた刺激を与えることによって内臓や神経などの調整ができるポイントのことです。ツボの数は中国医学とWHO(世界保健機関)では違っていて、WHOによると361穴としています。WHOが数を示しているということはWHOも有効性を認めているということですが、このような説明をしなくても、すでに多くの方が認識しているところです。
ツボ療法となると専門家に治療してもらうものという印象ではあるものの、自分でできるツボ療法は、自分でできるとうたっているだけに、自分だけでできる方法です。ただ、治療師に頼らないで済むということだけでなくて、自分の指が届くところだけを刺激して、全身に影響を与えることができます。これは気血水の通り道である経絡によってツボと全身の器官がつながっているから可能となっています。
患者や障害者を支える人は、支えられる人よりも身体に負担がかかっていることもあり、ケアが必要であっても、その時間がないということがあります。支える側が心身ともに楽な状態でないと、優しく接することもできにくくなります。そういう思いもあって、自分でできるツボ療法は、支える人を支えるために情報提供、指導をさせてもらっています。