支援する人を支援する1 支援の輪を拡げる戦法

社会課題の解決に取り組む特定非営利活動法人(NPO法人)や一般社団法人、一般財団法人は数多くあります。また、公益社団法人、公益財団法人も本来の事業活動の一部であったとしても、社会課題の解決を心掛けている例を数多く見てきました。ときには組織の中に入って、社会課題の解決の活動を当事者の一人として担わせてもらったこともあります。

SDGs(Sustainable Development Goals)が2015年に国連サミットで採択されてから「持続可能な開発目標」の17の目標は、社会課題の解決の目的とされました。17の目標は貧困や飢餓、暴力を撲滅して、地球環境を壊さずに経済を持続可能な形で発展させ、人権が守られている世界を実現することを目指しています。
SDGsのキーワードである「Leave No One Behind」は「誰一人取り残さない」と訳されていて、こちらのほうも国内では知られています。

すべての人のための目標の達成を目指す中で、初めに手掛けなければならないのは“最も脆弱な立場にある人”の支援です。そこに焦点を当てた活動としてフードバンクやフードドライブ、子ども食堂は知られた存在です。

この社会課題の解決への取り組みが目標通りに進んでいるのかというと、地道な支援の一端を担いながら疑問を感じてきたところです。「誰一人取り残さない」というキーワードを掲げながら、支援活動に取り組んできた団体が取り残された状態になっている現状も数多く見聞きしてきました。

その原因や理由は、さまざまある中で、広報力の不足を強く感じています。健康関連・食品関連の団体の広報を担当し、大手メディアとの連携による支援も経験してきて、広報力さえあれば目標に近づける、もっと活躍できるという団体が数多くあることも知りました。

すぐの助けを求めている人が、近くに支援団体があることを知らないために“取り残されている”ことも目の当たりにしています。これだけのネット社会で、手のひらのツールで情報検索ができる時代になっているのに、広報力の不足のために、このようなことが起こっています。

この連載コラムのタイトルは「支援する人を支援する」で、団体を支援するということなら違和感があるかもしれません。しかし、支援をする団体は個人の思いの部分が大きく、人とのつながりが重要となります。その人の支援が団体の支援の根幹であり、それが必要とする個人へのバトンタッチに活かされていきます。

何が足りないのか、それに気づいてもらい、足りないところを支援することについて、自分たちのできること、やってきたこともあげながら「支援する人を支援する」活動を考える一助になればとの思いで、書き進めることとしました。
〔特定非営利活動法人日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕