食事を通じた栄養の支援というと、食事を提供することがイメージされることから「こども食堂」を運営しているのか、そこに食材などを提供しているのかと聞かれることがあります。それは専門の方にお任せすることにして、私たちが実施しているのは食事を提供して「支援している人を支援する」という内容です。
食事を提供する方や協力する方に栄養面の話をするところから始めてきましたが、「栄養云々よりも食べてもらうことが大切」という反応が多くて、実際に話を聞いてくれた方は驚くほど少ない状態でした。
「栄養まで考えられるのは食事の提供が充分にできてから」と言われたこともあって、その機会を待っているのですが、数年経っても声がかけられないということもありました。実際に声をかけてくれたのは一人だけでした。
ところが、子どものために食事を提供し続けてほしいので、ご自身が健康でいてほしい、そのための話をさせてほしいという言い方をしたら、かなりの希望が寄せられました。
ただ、それには私どものほうが充分に応えられてはいません。というのは、聞きたいという要望が、栄養の基本と実践で役に立つ内容という身近なことではなくて、栄養学講習そのものを望まれることが多いからです。
私たちは、法人名からもわかるように、メディカルダイエットに関わる講習と情報発信をしていて、一般対象の講習(メディカルダイエットデザイナー)でも講習テキストはA4サイズで120ページにもなります。資格認定講習では3万円をいただいています。
これでも簡単にまとめたほうなので、講習時間は6時間、さらに通信講習(自習+試験)が4時間相当としていますが、これを短くして、内容が間違われることなく伝えるのは大変な労力が必要になります。
栄養講習を望む人は多いのですが、ピッタリとした内容で、教わる方も教える方も満足がいくようにするのは、なかなか難しいことです。
〔特定非営利活動法人日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕