故障中と修理中

機械が故障したときに、その状態を周囲に知らせるために貼り出される紙に書かれている「故障中」というのは、多くの人が目にしたことがあるかと思います。飲料や切符の自動販売機に貼られている、この「故障中」の文字を目にするたびに感じて、ツッコミしたくなることがあります。

それは「今も故障が進んでいるのだろうか?」という疑問を抱くからです。「中」というのは途中、最中を示していて、食事中なら食事をしているとき、就寝中なら寝ているとき、走行中なら走っているときというように今現在進行しているときに使われます。

「〜し続ける」という意味合いもあって、「故障中」というのは今も故障の状態が進んでいる、悪くなっているという状況です。そのようなことになったら、すぐにでも修理をしなければならないはずなのに、長く「故障中」が貼り出されたままということがあります。

これなら今は使えないということを示す「故障」と表示すべきです。「中」をつけるのは重複表現となります。「中」を使うなら「停止中」となるはずです。もしくは「修理中」と表示と表示するべきなのですが、「修理中」という張り紙は見たことがありません。
(中には見たことがある人もいるかもしれないですが)

人によって考え方はさまざまで、「〜中」というのは本来は人間が行っているときに使うもので、故障に使うのはおかしいということで「故障中」を否定する意見もあります。その一方で、人間の行い以外に使うのは問題がないという意見も存在しています。

ただ、「〜中」というのは一時的な状態を示すときに使われるという認識から、「故障中」は、すぐに修理するという意思を示しているので、よいのではないかという考えもあります。

どの考えを採用するのかは個人任せでもよいのではないかという考えもしていますが、誤解がないようにするには「故障」という用語を使わずに、「修理中」「調整中」とすればよいというのが今のところの正解のようです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕