教室なび8「教えっぱなしでは教えたことにならない」

多くの受講生を集めて講習をするのはコロナ禍でやりにくくなり、コロナ対策を充実させても、外出自粛の風潮で減った受講生(受講者)は、なかなか戻ってくれないのが現状です。もともと小さな規模で実施してきた教室は、比較的対策が取りやすく、教室に通ってくるのは近隣の受講生が多いことから親しみもあって回復しやすい環境にはあります。
小規模の教室のメリットとして、「教えっぱなしにならない」ということがあげられます。規模が大きくなるほど受講生の数が多くなり、全体に対して話をするような感じになります。受講生個々に対する話ではなくなり、受講生の顔を見渡すようにしても、それはたまに目が合う程度のことで、なかなか自分のために話してくれるということにはなりにくいものです。
講師側からすると教えたことが全体的に伝わることが大切になっていって、個々がどれくらい理解したのか、どれくらい満足をしたのかがわかりにくくなります。そこで、アンケートを実施したりもするのですが、そもそもアンケートをとって全員の気持ちがわかるわけではないので、教える側の満足で終わることが少なくないのです。
講習は教えたあとが大切だという認識をしています。大規模な教室で、次から次へと新たな受講生が押し寄せてくるということであれば、講習に満足できずに離れていく人がいても、それは想定済みということがあります。だから、教えっぱなしでも成り立ちます。
ところが、少人数での講習となると、1人だけが不満を感じていても、それが周りに伝搬しやすく、盛り上がらないままに終わることもあります。大人数では予定していた講習内容が最後まで行かないで終わることがあっても、もしくは最後まで行くために途中を端折るようなことがあっても仕方がないということがあります。それに対して、少人数の講習では途中でカット、いわゆる尻切れトンボは許されません。
最後まで、しっかりと教えられなかったら再度、集まってもらっての講習もあり、少人数だと集まりやすいということはあるのですが、それでも終わるように努力すべきです。そして、終わることができなかったら、通信講習方式にして、とにかく予定していたことは終わらせることが大切だと認識しています。
通信講習にはオンライン講習や講習テキストを読んで試験問題を解く方式など複数の方法があります。その方法は教室の性質や受講者の特性にも関わってくるので、さまざまなスタイルに合わせられるように、要望する方法が実施できるように支援していきます。
(女性応援「教室なび」応援団・小林正人)