整えるダイエット12 最低限の体脂肪率を下回らない

身体の中に蓄積される体脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪)は、重要なエネルギー源で、食事で摂る脂肪(中性脂肪)が大きく減ったときには、脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪を分解して血液中に放出します。この脂肪酸は血液の流れに乗って、全身の細胞に運ばれて、エネルギーを作り出すための材料となります。

食品から摂る脂肪は中性脂肪の形になっていますが、胃で消化されると脂肪酸となります。中性脂肪はグリセロールという脂質と3個の脂肪酸が結合した形になっていて、消化液によって1個ずつの脂肪酸となって小腸から吸収されます。この脂肪酸は血液中に入って、全身の細胞に取り込まれてエネルギー源となりますが、細胞に取り込まれなかった脂肪酸は肝臓の中で中性脂肪に合成されます。そのあと、脂肪細胞の中に蓄積されます。

体脂肪が減りすぎると、血液中の脂肪酸が減って、免疫も低下するようになります。免疫は免疫細胞(白血球、リンパ球)が司っているわけですが、免疫細胞も細胞であることから、全身の細胞と同じように脂肪酸を取り込んでエネルギー代謝によってエネルギーを作り出しています。これが免疫細胞が活動するためのエネルギーとなっているのです。

全身を正常に働かせるためにも、免疫を維持するためにも一定量の体脂肪は必要です。一定量を下回った「やせ」と判定されます。男性の場合には、18〜39歳は10%以下、40〜59歳は11%以下、60歳以上は13%以下とされます。女性の場合には、18〜39歳は20%以下、40〜59歳は21%以下、60歳以上は22%以下です。

女性は男性に比べて筋肉が少ない分だけ体脂肪が多くなっています。女性は男性に比べて免疫力が強く、飢餓状態になっても生き残りやすいのは体脂肪の割合が高いことが大きく影響しています。

年齢を重ねると健康維持のためには体脂肪が重要となるだけに、高齢になったら男性は13%以下にならないように、女性は22%以下にならないように、体組成計で体脂肪率を確認するとともに、脂肪が含まれた食品を減らしすぎないようにすることが大切になります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)