運動をするとエネルギー代謝を高めるために鉄が多く必要になります。
その理由として、鉄はエネルギー代謝の酵素の構成成分となるミネラルであることを前回、紹介しました。鉄は赤血球の色素成分であるヘモグロビンの成分として酸素の運搬、細胞への酸素の取り込み、老廃物の炭酸ガスとの取り替えの機能があります。
運動をするほど体内の鉄が減るようになります。鉄が赤血球の構成成分として酸素を運ぶ役割があることから、この酸素を使って細胞の中のミトコンドリアでエネルギーを作り出すときにも、補酵素として鉄が必要になります。エネルギー代謝を高めてダイエットを考えるときには、鉄の補給も考えなければならないわけです。
運動をすると他の理由でも鉄が不足するようになります。運動をして筋肉が増えていくときにも補酵素として鉄が必要になります。筋肉が増えていくときには鉄が必要になるということですが、鉄が不足していると筋肉を強化する運動をしても、思ったように筋肉がついていかないことになります。
スポーツ貧血という言葉があります。これはエネルギー代謝が高まることによって鉄が不足することを一般には指しているのですが、運動をすると血液の流れがよくなり、赤血球が受ける摩擦刺激が強くなります。そのために破壊される赤血球が増えることから、酸素の供給量が低下するということです。
鉄は年齢に関わらず不足しやすいだけに、食事だけでは補給できない場合も多くなっています。鉄が最も含まれている食品といえばレバーですが、いつも食べられるような食品ではありません。鉄の不足に心当たりがある人は、サプリメントの使用も考えるべきです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)