人間の身体の土台というと足底(足の裏)だと思われがちです。普通に歩けば、足底が左右ともに同じように地面(路面)に着地して、同じ負荷がかかり、歩くときにも左右の足が同じように踏み出せるというイメージがあるかもしれませんが、そのようになる人は案外と少数派です。その理由は、骨盤の傾きになります。
骨盤が左右ともに同じ高さになっていれば、足底も同じように地面に着地します。ところが、左右の傾き(右か左が上がっている)があると、上がっている方の足底には負荷がかかりにくく、下がっている方の足底には強い負荷がかかります。片方の靴底だけがすり減りが早い、片側の膝や筋肉にだけ負荷がかかるというのは、そちら側の骨盤が下がっていることが考えられます。
骨盤に傾きがある状態で歩くのは、身体のバランスがよくないわけで、歩くほど健康になるつもりで、実際には歩くほど不健康になっている可能性もあるのです。
骨盤の傾きを確認するためには、椅子に座って、左右の足を組んでみるとわかります。例えば、右足の上に左足を乗せて組んだときにスムーズに組めたのに、逆にしてみたら組みにくい、もしくは組めないということがあったとしたら、組みやすいほうの骨盤が上がっています。
こういった状態で歩くと、目を開けているときには身体が勝手に調整をしてくれるのですが、目を閉じて歩いてみると骨盤が下がっている側に曲がっていきます。骨盤の傾きが大きいほど曲がりが大きくなります。
これを修正するための方法として「組みにくい側で組むようにする」ということが指導されることがあるのですが、それよりも筋肉に負荷がかかりにくい方法で、筋肉を緩めて、徐々に骨盤の高さを整えていく方法がすすめられます。その方法として用いられるのがバランスボールを使ったバウンド運動です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)