筋肉を増やしてエネルギー代謝を高めるためには、たんぱく質の摂取が重要になります。筋肉を増やしやすいたんぱく質は必須アミノ酸の種類と量が充分に含まれている食品で、これは“良質なたんぱく質”と呼ばれています。これに該当するのは、肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品です。
この中でも筋肉を増やそうとする人が多く摂っているのは肉です。人間の筋肉は動物性のタンパク質で、それに近い組成となっているのは肉だからです。(たんぱく質は食品に含まれているもの、タンパク質は身体を構成するものと使い分けています)
肉は筋肉を増やすために最良であったとしても、脂肪が多く含まれています。魚には脂肪は多いものの、魚の脂肪は不飽和脂肪酸が多く、これは動脈硬化のリスクを下げる作用があります。肉に含まれる脂肪は飽和脂肪酸で、逆に動脈硬化のリスクを高める作用があります。
脂肪はエネルギー量が高く、1gあたり約9kcalもあるのに対して、糖質とたんぱく質は1gあたり約4kcalと2倍以上のエネルギー量となっています。そのために脂肪が多い食品を食べ過ぎると、どうしても摂取エネルギー量が増えてしまいます。
ダイエットを考えると脂肪の摂取量は少ないほうがよいように思われるかもしれませんが、体内で代謝させてエネルギーを多く作り出すことで、そのエネルギーを使って筋肉を増やすことを考えると、エネルギー量が多い脂肪は有効な食品となります。脂肪を多く摂って、エネルギーを多く作り出すためには、細胞のエネルギー産生の小器官であるミトコンドリアに多くの脂肪酸を取り込まれることが必要です。
脂肪酸がミトコンドリアに取り込まれるためには、脂肪酸はL‐カルニチンと結びついてミトコンドリアの膜を通過する必要があります。肉にはL‐カルニチンが多く含まれているものの、脂肪も多く摂取することになるので、それが気になる場合にはL‐カルニチンはサプリメントでの活用を考えることです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)