整えるダイエット28 肉を食べたら善玉菌を増やす

筋肉を増やすために、良質なたんぱく質として肉を食べるのはよいことであっても、体調にはマイナスになることもあります。良質なたんぱく質というのは、必須アミノ酸の種類と量が足りているものを指す言葉で、必須アミノ酸を多く摂取することによって身体に必要なタンパク質が多く作られるようになり、筋肉も増えやすくなります。
(食品に含まれるものは“たんぱく質”、身体を構成するものは“タンパク質”と表現)

肉を食べて起こるマイナスというのは、腸内細菌の悪玉菌が増えることです。腸内細菌の総数は決まっているので(1000兆個とされる)、悪玉菌が増えると善玉菌が減るようになって、腸内環境が乱れていきます。

腸内細菌は細菌であることから栄養源(エサ)が必要です。善玉菌は主には糖質が栄養源で、乳製品に含まれる乳糖や食物繊維も糖質に含まれます。食物繊維は消化も吸収もされずに小腸を通過して、大腸で善玉菌によって分解されて栄養源として使われます。それと同時に、腸壁を刺激して蠕動運動を高めて、便通を促進する働きもあります。

悪玉菌の主な栄養源は動物性たんぱく質と脂肪です。肉には、その両方が多く含まれているので、肉食が多いと悪玉菌が増殖して、活性も高まっていきます。そのため、筋肉を増やすために肉食を増やすときには、善玉菌を増やすことも同時に考える必要があるのです。

大腸の善玉菌の代表はビフィズス菌です。ビフィズス菌が含まれたヨーグルトやサプリメントを摂ればよいということですが、外部から取り入れたビフィズス菌などの善玉菌は腸内では1〜2日しか棲息することができません。

死んだら意味がないと思われるかもしれないのですが、大腸で棲息している間に善玉菌は酸性の代謝物を出します。もともと大腸にいた善玉菌は酸性環境で増殖します。つまり、外部から取り入れた善玉菌が作り出した酸性の代謝物によって、もともとの善玉菌を増やすという間接的な役割をしているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)