高齢になって筋肉量が減ると活動量が減り、そのために食欲が湧かなくなり、食事量が減るために筋肉が増えにくくなる、という悪循環を起こすようになります。その流れの、どこかでストップをかけなければ、どんどんと虚弱が進み、日本人の死因の3位になっている老衰の原因にもなりかねないということです。
どこでストップをかけるかということになると、筋肉量の減少というスタート地点がターゲットとなります。筋肉が多いことで筋肉を動かすことによる全身のエネルギー代謝が高まり、このエネルギーを使って筋肉細胞(筋繊維)に取り込まれたたんぱく質を筋肉として蓄積していくことができるようになります。
どれくらいの筋肉量が減ったら対策を急いで始めなければならないか、ということですが、5つのチェック項目があげられています。以下の項目のうち、3項目以上でフレイル、一つでも当てはまったらプレフレイル(フレイルの前段階)と判定されます。
1 体重減少:意図しない年間45kgまたは5%以上の体重減少
2 疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3〜4日以上感じる
3 歩行速度の低下:1秒間に1m以下
4 握力の低下:男性28kg以下、女性18kg以下
5 身体活動量の低下:軽い体操・運動を週に1回もしていない
筋力の低下をチェックする方法として、「片足立ちして靴下を履けるか」ということがあります。これはロコモティブシンドローム(筋肉、骨、関節の障害による日常生活への支障)のチェック項目でもあって、つかまり立ちをしないで左右とも靴下が履けなくなったら筋力の低下が指摘されます。
ただし、この場合の靴下は、履くのに時間がかかる五本指ソックスや足袋型(二股)ではなくて、履きやすい普通の靴下を使ってのことです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)