整えるダイエット7 筋肉の違いに合わせた刺激法

筋繊維(筋肉細胞)は、白い色をした白筋(速筋)と赤い色をした赤筋(遅筋)に大きく分けられます。
筋肉を増やすためには、白い色をした白筋(速筋)を刺激するほうが効果的とされています。筋肉は基礎代謝の30〜35%を使っています。筋肉量が多い人では38%ほどにも高まります。基礎代謝は生命維持のために必要なエネルー代謝のことで、1日の消費エネルギー量の約70%を占めています。そのうちの30〜35%なので、全体の割合としては21〜24%ほどとなっています。

筋肉量が多いほど多くのエネルギーを使うので、やせることが目的のダイエットでは筋肉を増やすべきだと言われますが、白筋が主にエネルギー源としているのはブドウ糖です。ブドウ糖は、すぐにエネルギー代謝されやすく、筋トレのような無酸素運動でもブドウ糖を使ってエネルギーを作り出すことができます。

これに対して赤筋が主にエネルギー源としているのは脂肪酸です。やせることが目的のダイエットでターゲットになるのは脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪で、これが分解されると脂肪酸になり、その多くが赤筋の中でエネルギー化のために使われています。体脂肪を減らすための運動なら、酸素を多く取り込む有酸素運動が有効となります。

白筋は主に糖質を代謝させて強い力を短時間のうちに発揮させる筋肉であるので、筋肉に強い負荷がかかる運動をすることによって筋繊維を肥大させていくことができます。

白筋を刺激して筋繊維を肥大させるためには、「高負荷×低回数」が有効で、重いダンベルを使った筋肉トレーニングやスクワット(激しい上下動)などの運動が、これに当たります。

赤筋を刺激するには、「低負荷×高回数」の運動が有効で、ウォーキングやジョギング、身体に無理がかからない適度の筋肉運動などがあげられます。白筋を鍛えるための強度としては最大反復回数の70%ほどがよくて、15回以上行うのが目安となります。赤筋を鍛えるための強度ですが、こちらは最大反復回数の30〜50%くらいが通常です。60%を越えると無酸素運動の領域になるので、50%ほどの強度で長く続けることがすすめられます。

筋肉がブドウ糖や脂肪酸や脂質をエネルギーとして代謝させる筋代謝力は、持久系の運動と同じように「低負荷×高回数」の運動によって高めることができます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)