新型コロナウイルスの変異種にワクチンは効くのか

ウイルスは、インフルエンザでも明らかなように変異をしていきます。インフルエンザのように長年の対応歴があるウイルスに毎年多くの感染者がいて、ワクチンがあるにも関わらず抑えることができないのは、以前のワクチンの効果がない新型のウイルスに変異をしているからです。
ウイルスは細菌とは違って、単体では生き延びていくことができないために生物(宿主)に寄生する必要があります。細菌は一つの細胞(単細胞)なので、どこでも生きていけるのに対して、ウイルスは生物への寄生以外では生き残ることができません。新型コロナウイルスは感染者の唾液や粘液が空中に浮遊したものでも3時間、テーブルや壁などに付着した場合には最長で7日間も生き延びるという驚異的な生命力があります。ウイルスは単体では生きていくことができないので、はたして生物と呼んでよいのかという議論はあるものの、物凄い生命力(?)となっています。
ウイルスは人間に寄生したあとは、人間の身体に、それぞれのウイルスに特徴的な症状を引き起こしますが、その症状は死なない程度のものだというのが、ウイルスの特徴そのものです。新型コロナウイルスに限らず、これまでの感染性のウイルスでも多くの死者が出ています。これはウイルスのせいというよりも、人間の免疫が低すぎることが原因だという考え方をする専門家もします。
ウイルスが変異するのも、生き延びるための特性です。ワクチンや治療薬の効き目が現れてきたら、変異をして人間が作り出した対抗策を無効にしようとします。その変異が、これまでのウイルスと同程度のものであったら問題はないのですが、イギリスで発見された新型コロナウイルスの変異種は、今までの種よりも感染力が高く、伝播(感染)しやすさは70%も高まり、実行再生産数は0.4%以上増加させると報告されています。わずか0.4%であっても、1人の感染者から広がっていく勢いは急拡大します。
変異種であっても重症化の確率に大きな違いはないとされています。しかし、この報告は大部分が60歳未満の人であるので、高齢者にとって実際に、どれくらいの被害が出るのかということはわかっていないのです。