新型コロナウイルス感染で健康寿命が短くなるのか

新型コロナウイルスは飛沫感染、接触感染をするということで、三密回避が呼びかけられて、とにかく外出自粛が最優先で、商店街の中には壊滅状態になっているところもあります。商店街だけでなくて、地域の公民館も利用者が来なくて開店休業状態というところも少なくありません。
健康づくりといえばウォーキングをはじめとした外を歩くこと、健康について学ぶ講習に参加すること、健康診断を受けること、検査数値で引っかかったら早めに医療機関を受診すること、そして食べすぎないことが基本中の基本とされています。その基本中の基本が外出自粛、三密回避でできなくなっています。
例えば、歩くことは心肺機能を強くする、足腰を丈夫にする、メタボ解消、認知機能向上に役立つということで、地域においては、とにかく歩け歩けの大号令でした。歩くことによって個人も地域全体も医療費が下がるということで、歩くイベントが盛んに行われてきました。ところが、歩け歩けの代表でもある日本ウオーキング協会のウオーキング大会が軒並み中止になり、大会だけではなくて地域のウォーキングのイベントも中止の連続です。ウォーキングは一緒に歩くことが楽しみなのに、“一人ウォーキング”なる言葉があるように、1人で黙々と歩くという修行僧のような歩き方しかできないという苦行ウォーキングになってしまっています。
講習は会場と参加者の制限で三密は避けられるし、消毒と体温計測で安全が確保できるにも関わらず、集まることが問題であるかのように、こちらも中止ばかりです。
ウォーキングの実践と歩くことの健康効果の学びが重ねると、モチベーションを持っての健康づくりの絶好の機会となります。歩くことの健康効果として、血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値の低下があげられています。これらの基礎疾患があると新型コロナウイルス の感染リスク、重症化リスクが高まります。感染することも避けたいものの、もっと避けたいのは重症化することです。重症化を防ぐために運動をするべきなのに、それができないということは、感染症対策が、かえって重症化を招き、健康寿命を短くすることにもなりかねないということです。