免疫を高める食品というと、専門家によって多く挙げられるのはキノコです。キノコには多糖類が多く含まれていて、中でもβグルカンは免疫細胞の白血球などの働きを活性化させることが広く知られています。
βグルカンは免疫細胞の栄養源であるので、栄養源が多くあれば、それだけ働きが高まるというのが常識として一般的に伝えられることです。しかし、キノコのβグルカンは細胞膜に多く含まれていて、細胞膜が破壊されていないと多くの量を取り出すことはできません。
煮たり焼いたりしたくらいでは、それほど多く吸収することはできないのです。そこで使われるのが「キノコ氷」の手法です。
えのき氷で有名になった方法で、キノコを切って、製氷器に入れて、水と一緒に凍らせます。解凍されるときに細胞膜が壊れて、βグルカンを多く取り出すことができます。
こういった方法だけでは完璧とは言えません。免疫細胞のエネルギー源となっている栄養素が不足していたのでは充分な働きはできなくなります。免疫細胞の基本的なエネルギー源は糖質です。
ブドウ糖が含まれている糖質食品(ご飯、パン、麺類、砂糖など)は全身の細胞の重要なエネルギー源であり、先に使われるものです。
免疫細胞も同様で、ブドウ糖が先に使われますが、他の細胞と違ってブドウ糖が優先的に使われるので、糖質制限のようなことをして免疫細胞を栄養不足にさせてはいけないということです。
逆に多く糖質を摂取すればよいわけではなくて、血糖値が上昇しすぎると糖尿病のリスクが高まります。糖尿病患者は免疫が低下することが知られていて、糖尿病患者の平均寿命は10年ほども短くなっているという事実があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕