「1日30食品」が新常識のように言われ始めたときに、当時の厚生省の栄養指導官に「1日に30種類の食品を食べるのは簡単」と言って、自分の例をあげて叱られた(というか呆れられた)ことがありました。
そのときにあげたのは、七味唐辛子で7種類、合わせ味噌で2種類、ミックスナッツで5種類、ミックスフルーツで5種類、雑穀で7種類、飲料で4種類(日本茶、コーヒー、紅茶、ココア)でした。もちろん本気で言ったわけではなくて、“ある研究調査”があったからです。
それはスーパーマーケット系の研究所の調査で、1日に30食品を食べている人が、どんなものを実際に食べているかを調べて、その人たちは栄養バランスが取れているのかを知るために基礎調査が行われました。
その基礎調査の結果、1000人の中で30食品を食べているのは2人だけしかいませんでした。目的を達するためには、どれだけの人数の調査をすればよいのかということになり、基礎調査だけで終わりました。
当時の厚生省が1985年に発表した「1日30食品」は、2000年(平成12年)には取り下げられた形となりました。それは同年に発表された「食生活指針」には食品の数がなくなり、「主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを」、「多様な食品を組み合わせましょう」と書かれていました。
このようなことになったのは、国民栄養調査(現在は国民健康・栄養調査)の調査結果を詳細に見ていったところ、栄養バランスが取れている人の平均食品数が17食品であることが判明したからです。
新常識の食品数ということでは、現在は「17食品」となりそうです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕