目で見ていることと耳で聞いていることにズレが生じるというのは映画などの画像では、過去には起こっていたことです。先に口が動いて声が後からついてくるということもあれば、声が聞こえてから口の動きが遅れているということもありました。
今ではデジタル画像と音声になったおかげで、視覚と聴覚でキャッチした情報がズレることはなくなりました。そういったことから、腹話術師のいっこく堂のように、声が聞こえてから、口が動くということは立派な芸(技)として受け入れられています。
その状態が私の場合には、いつも起こっていて、これは「視聴不一致」という珍しい状態だということは前回(日々修行115)書きました。
この状態が起こった40代後半のときには、医療で対応してもらおうとしましたが、それがかなわないことであることがわかってから、視聴不一致の違和感、気持ち悪さを感じないようにすることを始めました。
一番よい方法は相手の口の動きを見ないことですが、今のようにオンライン会議が使えるなら目で相手の姿は見ているものの、実際には話すことを聞いているだけということもできます。
しかし、画面越しの対話が普通ではなかった時代には、対面していても口元を見ないようにするといっても、顔を見ると口の動きが見えてしまうので、対面している相手の顔を見ないようにして話すということをしていました。
これは話をするときには絶対にしてはいけないとされることで、相手を不機嫌にさせることにもなり、会議なり取材なりの目的を充分に達成できないこともありました。
その場で、視聴不一致のことを説明しても理解してもらうのは難しいので、よほどの関係性がある人以外には話したことはありません。中には、顔を見て話さなくても仕事には関係ないといってくれる人もいるにはいたのですが。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕