日々修行124 四季の変化の影響

「四季の変化」というと、春夏秋冬の日本特有の日照と気温の変化による自然や人の営みを指しています。節気では立春、立夏、立秋、立冬が四季の始まりとされていますが、太陰暦(旧暦)と太陽暦では1か月ほどのズレがあります。

現代では2月〜4月が春、5月〜7月が夏、8月〜10月が秋、11月〜1月が冬となるわけですが、昨今では夏の期間が前後に延び、その分だけ春と秋が短くなっています。

このまま変化が進むと「5月にセミが鳴き、紅葉がクリスマスになる」という未来予測もされています。さすがに、そこまでの影響はないだろうと考える向きも多いのですが、これまでの常識が通じない世の中になることも想定して対策を練っておく必要を感じています。

身近なところで考えていくのがよいだろうということで、長らく付き合ってきたウォーキング業界を例に考えてみました。

ウォーキング業界というのは、ここでは日本ウオーキング協会が主管する全国で実施されるウオーキング大会を指しています。(一般名称はウォーキング、ウオーキングは日本ウオーキング協会の固有名詞)

ウオーキング大会は、全国各地の季節のよい時期を選んで、場所を変えながら実施されています。全国規模の実施カレンダーが設けられていて、土日を中心に2〜3日の期間で実施されています。

長年の実施で、地域に定着していることから日程の変更をしない形で進められてきていて、夏の期間が長くなり、気温の上昇が激しくなっても大幅に変更されないままでした。

これを見直すきっかけになったのは2020年からの新型コロナウイルス感染症の蔓延で、各地のウオーキング大会が軒並み中止となり、やっと安心して実施できるようになったのは2023年のことでした。

以前のような規模での開催が望まれたものの、2025年問題が目の前に迫ってきていることもあって、参加者の大幅減少は止めることができなくなりました。

2025年は団塊の世代が全員、後期高齢者(75歳以上)になる年で、その割合は国民の5人に1人になります。超高齢社会は勢いを増すばかりで、雇用、医療、介護、福祉など広域に深刻な影響を及ぼすことが懸念されています。

ウォーキング大会の参加者は高齢化が進むにつれて増えていき、年間延べで220万人が参加していた時代もありました。ところが、高齢社会(1994年〜)から超高齢社会(2007年〜)に変化する中で、徐々に参加者は減っていき、後期高齢者が前期高齢者を上回った2018年からは大きく減少していきました。そこにコロナ禍が拍車をかけたわけです。

この大幅減少には超高齢社会だけでなく、季節の変化による体力消耗もあり、歩いて健康になることを願う人は減ってはいないものの、ウオーキング大会に参加するという従来の健康づくりの感覚は変わってきました。

それは長い目で見るとわかっていたことなのに、根本的な対策を行わずに、前例に従ってきた結果は、他の業界でも同じことが見られています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕