日々修行145 通信の変化への対応その1

気づいたときにはスマートフォンがあったという世代には、過去の通信手段が、どのようであったのかということは、あまり関係がないことかもしれません。興味もないという人がいるであろうことも承知しています。

大学を卒業して仕事を始めたばかりのときには、「仕事=事務所=電話機」というのは当たり前のことで、初めて職場の固定電話の契約をしたときのことは今も忘れることはできません。

当時は、電話番号はあてがわれたものを受け入れるしかない時代でした。その当時に言われていた絶対に引き当ててはいけない下4桁の電話番号は3396、つまり「散々苦労する」と読める番号でした。

そんな番号をダイヤルしたくないという人もいて、商売にならない悪魔(地獄!)の電話番号と言われていました。その番号を私が引き当ててしまい、御神籤の大凶の確率を超えたと言われたものです。ちなみに神社の大凶の確率は2%以下とされています。

事務所に固定電話を設置しても、出歩いている時間のほうが長くて、あまり使うことはなくて、持ち歩きができる電話の登場を願ったのですが、「そんな夢物語」と言われたのは1977年のことでした。

ところが、1979年に自動車に設置することができる、その名も自動車電話が登場しました。1985年には持ち運びができるショルダーフォンが登場しました。その名の通り、バッグのように肩にかけて運ぶもので、重量は3kgもありました。

重さもさることながら20万円もしましたが、それよりも驚きだったのは月額使用料が2万円、通話料金が1分間で100円だったことです。当時の公衆電話は3分間で10円だったので、その30倍の料金でした。

携帯電話という現在の名称が使われるようになったのは1987年のことでしたが、当時は1.5kgもあって、たとえるならペットボトル(500ml)1本半分でした。それでも随分と使いやすくなったという感覚があって、すぐに契約しました。

これに比べたら雲泥の差と言われる小型携帯電話が使えるようになったのは1991年のことで、その重さは240g前後でした。これは小型のペットボトル(250ml)の重量と、ほぼ同じです。これをポケットに入れて歩くのは、かなりの負担でしたが、これ以上に楽になることは想像がつかない時代でした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕