物心がついたときには、すでにスマートフォンがあったという世代に、ガラケーの携帯電話の便利さを話しても、何を言っているのかという顔をされてしまいそうですが、日本で普及するには必要な機能が整えられていました。
そもそもガラケーがガラパゴス・ケータイを短縮した言葉だとか、周辺地域から海によって隔離されて独自の進化を遂げてきたガラパゴス諸島のように日本独自で発達したことから名付けられた、スマートフォンと区別するために作られた言葉、という話をしても、まったく通じない人が年々増えてきました。
そして、2026年3月末にはNTTドコモのガラケーのサービスが終了して、ガラケーが完全な昔話になる時代まで、あとわずかな期間となりました。
日本の携帯電話(ガラケー)は非常にハイスペックであったのに、世界標準の仕様とは異なっていたために、海外で販売することができず、また海外からの進出もほとんどなかったということで、これがガラパゴス化を進展させていきました。
2008年に国内でスマートフォンのiPhoneが販売され、2009年にはAndroidが販売されたので、20年ほどの棲息(?)期間ということになります。
まだガラケーという言葉が使われることがなかった時代、つまりスマートフォンが登場する前には、これだけあれば他の機能はいらない、電話が置いてある事務所でなくても自分がいる場所が事務所になるということが言われることがありました。
それはパソコンが事務所に置かれている“固定パソコン”(据え置き型パソコン)の時代だったからです。
今ではノートパソコンに通信機能が搭載されているのは当たり前のことですが、まだまだ高価であったこともあって、インターネットの普及には時間がかかりそうと思っていたところにスマートフォンが登場して、SNSによって情報を得るだけでなく、個人でも発信することができるようになりました。
ここまで進むと、情報発信は趣味なのか遊びなのか、それとも仕事なのかの区別がつかなくなってきています。その変化とともに歩んできた30年間(Windows95の登場以降)は、仕事の概念を変えるきっかけにもなりました。
そして、情報を得て、情報を発信して、これが仕事につながる時代は、定年退職という概念もなくなってきました。「元気に働けるうちは働く」ではなくて、元気でなくても、病気であっても障害があっても情報のやり取りができるうちは働くことができる時代、との認識で、また新たなことを始めようとしているところです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕