日々修行163 2人の藤本義一さん

藤本義一さんといえば一般に知られているのは作家であり、年齢がいった人にはテレビ番組の「11PM」の司会といったほうが通じやすいかもしれません。

作家の藤本義一さんとは編集や文筆の世界で修行をさせてもらっているときに交流をさせてもらいました。「11PM」のスポンサーでもあるサントリーとの仕事をしたときに、社員の中に洋酒研究家でもある方がいて紹介をしてもらった方の名刺に書かれていたのは「藤本義一」でした。

2人が混同しないように「作家の藤本義一さん」「サントリーの藤本義一さん」と呼び分けていたのですが、作家の藤本義一さんは「11PM」のコマーシャルのイメージもあって、「サントリーの藤本義一さん」と言うと作家の藤本義一さんと勘違いされることもありました。

作家の藤本義一さんもサントリーの藤本義一さんも、お互いのことを知っているだけでなくて、両方とも原稿料が間違って振り込まれたことがあって、どう使い分けるかは本人だけでなく、出版社も考え込んでしまったことがあると、これもお二人から聞きました。

作家の藤本義一さんは「よしかず」が本名の読み方で、サントリーの藤本義一さんは「ぎいち」が本名の読み方でした。作家の藤本義一さんは一般には「ぎいち」と認識されていたので、読み方で使い分けるわけにはいかないので、どうしたものかと、お二人に別々に話をしました。

それなら会って話をしてみようかということになり、せっかくだから雑誌の対談にしてはどうかと週刊誌に企画提案しました。

これがスンナリと決まって、面白い対談になり、対談場所もサントリーのウイスキーが飲める店で、ということになり、スポンサー付きの対談が実現しました。

その後も、スポンサー付きの対談や取材の依頼が週刊誌(同じ週刊誌のこともあれば別の週刊誌のことも)からあって、サントリー以外のスポンサーもつくようになって、これは実利と広がりのある仕事となりました。

ちょうど酒のペンクラブの会員として多くの酒造会社との付き合いが始まっていた時期でもあったので(日々修行156)、ネタには事欠かない状態でした。

作家の藤本義一さんとは、これを機会に前より深い付き合いをさせてもらうことになり、サントリーの藤本義一さんは“サントリー”の肩書なしでもお付き合いをさせてもらいました。

サントリー社員で洋酒研究家でもあるという立場から、だんだんと後者のほうが有名になりつつある時期だったことと、ワインブーム(実際は赤ワインブーム)が起こっていた時期でもあり、ワインに関する登場の機会に関わらせてもらうことになりました。

洋酒研究家の藤本義一さんは、日本ワイン協会の専務理事を務め、会社ではワイン相談室長も務められ、次第にワインの師匠(日々修行161)との関わりで、私の仕事も増えていきました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕