日本語の乱れはメディアのせいだと言われることが、これまで以上に多くなってきました。
制作に思ったように費用がかけられなくなったのは今に始まったことではありませんが、テレビ業界の広告費がインターネット業界の広告費に追い抜かれた2019年からテレビ番組の内容をチェックする体制が大きく低下したのは事実です。
以前であれば、撮影した内容を確認して、間違いを発見したら撮り直すということが行われていました。そのチェックのための専門スタッフもいて、ディレクター、制作プロデューサー、プロデューサー、チーフプロデューサーなどと何段階ものチェックが行われていた時代もありました。
そのたびに、放送局から確認が入ることもあって、1時間の健康番組を民放で仕掛けたときには、チーフプロデューサーの上のエグゼクティブプロデューサーまで含めて、9回の確認という最高記録を作った(作られてしまった)ことがありました。
そのようなところから、制作費の大幅減少があって、さらに安上がりの番組を作る傾向に拍車がかかり、間違った言葉づかいをしていることがわかったら、音声は変えずにテロップで正しい言葉を入れて、乗り切るということに変わっていきました。
これはテレビから聞こえてくる声を聞き逃さない、テロップに書かれた言葉も見逃さないという細心の注意をしているからわかることです。
そして、マスコミ4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)の広告費がインターネット広告費に追い抜かれた2021年からは、小手先の手段だけでなくて、根本的な対応が必要になりました。
そんな根本的な対応を、東京人脈の1人(大手広告代理店のテレビ担当)が担うことになり、その一部を担う案件が岡山の地にいる私にも振られてきました。長年をかけての変革していく予定であり、その対応の第一弾を打ち出すという寸前にテレビ業界を揺るがす出来事が起こりました。
1人のタレントの不祥事が、テレビ局の人間の不祥事に広がり、ついにはテレビ局そのものの、東京のキー局本体だけでなく、全国の準キー局やローカル局が危機的状況に追い込まれることになりました。
これは他の民放全国キー局(4局)にも大きな影響を与えています。
全国的に物が売れない状況になっていることから、広告出稿の見直しは以前から各社で検討されていました。
広告出稿が大幅に減って、ACジャパンの広告と番組宣伝ばかりになっても売り上げに大きく影響しないことを証明したことになり、広告削減の流れは民放各局に広がっていきます。
あと何年かして、テレビの広告費が大きく減ったグラフを見て、そのきっかけが「あのテレビ局の、あのせいか」と言われるシーンが今からリアルに想像できています。
テレビ番組の内容をチェックする依頼は、わずかにながらに私のところにも流れてきていたのですが、ACジャパンの広告が出始めた頃から、まったくなくなってしまいました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕