日々修行182 水に税金を払いたくない!?

アルコール飲料には酒税がかけられています。酒税は酒類が出荷されるときに課せられている国税です。

日本酒は他の酒類に比べると酒税の割合は低いものの、加えられている水にも酒税はかけられています。水が加えられているといってもピンとこないかもしれませんが、原酒でないものには水が加えられています。

日本酒の原酒のアルコール度数は20度(20%)ほどで、一般の日本酒のアルコール度数は15度ほどです。アルコール度数を低くするためには水が加えられています。

薄めるために使われた水は、本来ならアルコールではないので酒税がかからなくてもよいはずです。水の分だけ、酒税を少なくしてくれればよいのですが、そのような仕組みにはなっていません。

日本酒の中には、水を加える量が多いものがあって、それは本醸造酒という分類です。本醸造酒には醸造用アルコールが加えられています。醸造用アルコールは味の調整のために加えられると説明されることが多くなっています。

しかし、実際のところは日本酒の原価を下げるために加えられています。醸造用アルコールはアルコール度数が45度以上の食用エタノールのことで、主流はサトウキビなどが材料となったものです。

45度以上ということで、100%アルコールが使われることがありますが、アルコール度数が高いものを加えるほど日本酒の材料になるものもアルコール度数が高くなります。それを15度ほどに薄める場合には、原酒を使う場合よりも多くの水が加えられます。

醸造用アルコールは、ほとんど味がなくて、水にも味がないので、味が薄くなってしまいます。そのため、醸造用アルコールには“味付け”が行われています。この味付けされたものに対して、味の評価をするのは、どうしたものかという感覚があります。

できることなら、発酵させて作られた本来の味だけで評価すべきで、醸造用アルコールが使われていないのは「純米酒」です。さらに水が加えられていないのは「原酒」です。「純米」と「原酒」の両方が表示されていれば、混ぜものがない、「水に税金を払うことがない」日本酒ということができます、

さらに、酒米(酒造好適米)を適度に削って、米の味を引き出した「純米吟醸」、濾過によって味わいの部分を濾過することがない「無濾過」、加熱もしていない「生原酒」という魅力的なものも存在しています。

ここでは銘柄を明らかにはしないものの(近しい方なら知っているかとは思うのですが)、好みの日本酒に表示されているのは「純米吟醸 無濾過生原酒」です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕