日々修行189 キノコでダイエット

日本メディカルダイエット支援機構は特定非営利活動法人(NPO法人)として内閣府から認証された2008年は、メタボリックシンドローム対策の特定健診・特定保健指導が始まった年でした。

メタボリックシンドロームは内臓脂肪症候群と訳されていますが、メタボリックは代謝を意味していて、代謝が低下することによって内臓脂肪が多く蓄積された状態を指しています。

その対策としては、食事の摂取量を減らすことと、脂肪を代謝させる運動を増やすことが中心となっていましたが、私は臨床栄養の出身であったことから、食事を減らすことに関する仕事が多く持ち込まれました。

日本メディカルダイエット支援機構は、メタボリックシンドローム対策が主な仕事ではなくて、むしろ代謝を高めるほうを中心にしていくつもりでした。症候群と呼ばれるほどに蓄積された内臓脂肪を効果的に減らすためには、食事療法だけでは限界があり、運動療法も必要となります。

その両方を組み合わせた効果的な内臓脂肪のコントロールこそがメディカルダイエットの真骨頂で、そのことを指導に当たる団体やメディアにも伝えていました。このことを理解してくれる人がいなかったわけではないのですが、最も多く寄せられたオファーは、効果的なサプリメントの要望でした。

初めにテレビ局から寄せられた希望はキノコの活用で、キノコに含まれる成分の有効活用という切り口でした。キノコでダイエットといえば、水溶性食物繊維による脂肪の吸収抑制、水溶性食物繊維によって食べたものがゆっくりと胃から小腸へと運ばれていくことによる血糖値の上昇抑制が特徴的でしたが、これは言い古された感がありました。

2003年には、保健機能食品のアドバイザリースタッフ養成の講師をしていて、また同じ年から脂肪代謝促進成分のL–カルニチンの研究も始まっていたので、サプリメントでメタボリックシンドローム対策というのは想定される範囲でのオファーでした。

そのときに提案したのは、エノキタケの活用です。エノキタケには「キノコキトサン」という特殊な成分が含まれていて、運動をしなくても運動をしたのと同じように、脂肪細胞の中で中性脂肪の分解が起こることが確認されていました。

この基礎研究をされた専門家の先生は、キノコ研究の第一人者で、現在は東京農業大学の学長を務められています。

キノコキトサンは食用キノコの中に少量含まれている植物性キトサン、β‐グルカン、複合糖質などの複合成分で、エノキタケに多く含まれるといっても、ごくわずかな量です、しかも細胞膜の中に含まれているので、普通に食べても摂ることはできません。

正式名称はキトグルカンですが、これはテレビ番組向けにはわかりにくいということで、私と一緒に活動していたメンバーが「キノコキトサン」の名称で提案書を提出しました。それがきっかけとなり、サプリメントの素材としても当たり前に使われるようになりました。

キノコキトサンには脂肪の吸収抑制と分解促進の作用があり、β3アドレナリン受容体を介さずに脂肪細胞に蓄積される中性脂肪を脂肪酸に分解して血液中に放出する作用があります。

他には中性脂肪値、LDLコレステロール値、血糖値の上昇抑制というメタボリックシンドローム対策に合致した効果があり、さらに腸内細菌の善玉菌の増殖、免疫の活性などの働きも認められています。

サプリメントとして摂るしか方法がないのではテレビ番組や雑誌の記事になりにくいということで、考えに考えて提案したのが「えのき氷」です。製氷器に刻んだエノキタケを入れて、水を加えて冷凍させます。これが解凍されるときには細胞膜が破壊されてキノコキトサンが出てきます。

えのき氷を汁物や煮物に入れれば、美味しくなるうえに、キノコキトサンも摂れるわけですが、これが面倒だという人はサプリメントという方法もあるという流れでプッシュしていきました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕