子どもの頃に寺院で、和菓子が食べ放題であったことを前回(日々修行192)書きましたが、その話をすると「甘いものばかり食べていて、よく糖尿病にならなかったね」と言われることがあります。
私の場合は小学校にあがる寸前まで親元を離れて母親の実家の寺院(新潟県出雲崎町)にいただけです。その後は親と一緒でしたが、小学3年生までは山奥の豪雪地の村にいたので、菓子が買えるのは1軒の駄菓子屋だけでした。
甘いものを食べたくても、誰かからもらうしかない状態で、糖尿病になるほど食べることはありませんでした。
糖尿病の話を持ち出されるのは、父親の家系に糖尿病が多かったこともあります。甘いものが途切れることがなかった母親の実家の寺院の家系は、なぜか糖尿病はいなくて、高血圧家系でした。
後に健康関連の仕事をするようになって、糖尿病は甘いものを食べているから発症するわけではなくて、糖尿病の体質がある人がエネルギー摂取が多くなりすぎることが原因ということがわかりました。
父親の実家は米屋(新潟県柏崎市)で、戦時中も食には困らなかったという話を聞いています。就職したのが北日本食品工業という煎餅(せんべい)を中心とした会社でしたが、この会社が現在の洋菓子メーカーのブルボンです。
父親は警察官となり、付き合いで酒を飲む機会が多く、これが糖尿病の要因だったようです。
遺伝子検査を受けて、私には糖尿病と高血圧の両方の体質があることがわかりましたが、病院栄養管理の研究所で主任研究員に任ぜられたこともあって、無理がない範囲で体質に合った節制をしてきました。
仕事や観光で全都道府県を巡ったときには、どうしても地域の和菓子に目が行ってしまうのですが、それを食べても体調に問題がない範囲で量ではなく、種類を味わうという食べ方をしていました。
その中でも気になったのは寺院の出身ということもあって、やはり饅頭(まんじゅう)です。饅頭がない地域は全国にはないのですが、その中でも「三大まんじゅう」と呼ばれるものがあって、東京にいたときには、その一つの塩瀬総本家(東京都中央区)の「志ほせ饅頭」を好んで食べていました。
二つ目の福島県郡山市の柏屋の「薄皮饅頭」は旅先の土産物だけでなく、東北の物産展や東京駅の売店でも手に入るので、これもよく食べていました。
三つ目の岡山市の大手饅頭伊部屋の「大手まんぢゅう」は日持ちがしない(製造から7日)というので、なかなか手に入らなかったのですが、東京のデパートでも日付限定であっても販売されるようになったので、三大まんじゅうを食べ比べするということもしていました。
岡山に移住してからは三大まんじゅうの食べ比べをする機会は年に1〜2回になったものの、別の楽しみが生まれました。
それは岡山県倉敷市の「藤戸まんぢゅう」で、大手まんぢゅうと同様の薄皮饅頭です。ともに薄皮というよりも餡子(あんこ)に衣がかけられていて、ほぼ餡子です。藤戸まんぢゅうの日持ちは3日なので、おつかい用というよりも自分で楽しむために買っています。
餡子の味わいことが饅頭の決め手ということで、「大手まんぢゅう」と「藤戸まんぢゅう」が楽しめる岡山は、“饅頭マニア”の私にとって最高の地域です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕