日々修行209 雪を逆手に取った例

雪を逆手に取って収益を得ようとすることについて前回(日々修行208)書きましたが、その最たる例の一つを知ったのは、大学生として上京したばかりの時期でした。

地元選出の国会議員が総理大臣となり、高校(新潟県柏崎市)の同級生の父親が、その後援会のメンバーだったことから、東京の私邸(文京区目白台)に案内することになり、そのときに雪をお金に変えた話を聞きました。

豪雪地帯は雪が大事な資源で、春になって雪が溶けると、これは水田の豊富な水として活用されます。その水で作られるのが魚沼産コシヒカリです。

山から徐々に溶け出してくる水は、水力発電所で継続的に使われます。そのために豪雪地帯では最も降雪量が多い山奥にダムが作られますが、豪雪であっても水力発電所には常に行き来できるように道が通れるようにしておく必要があります。

その道に降り積もった雪は、下に落とせば簡単に処理できるものの、それでは発電所の放水の流れを妨げるということで、山奥の道に積もった雪は海岸まで運んで捨てることになります。

雪が降ると仕事が途絶える建設業、運送業などにとっては、本業のトラックは雪の処理に使われるので、雪は仕事を継続させる恵みにもなっています。

雪を運んで処理して戻ってくると、また積もっていて、常に山と海との往復を繰り返しているようなことが雪のシーズンには続きます。

どれくらいの雪を処理したのかは、春になると溶けてなくなるので知ることはできません。そのために本来なら下に落としてはいけない分を、海に運んだことにして稼ぐ会社があっても、これも確かめることはできません。

これが雪をお金に変えた一つの例で、それが地元で土建業をやっていた政治家の収益になったかどうかということは、ここでは書かないことにします。

雪は自然がもたらす恵みであって、そのエネルギー量は計り知れません。雪が降らなくなった季節に、雪の保冷効果を活用できたら、冷やすための膨大なエネルギーが節減できることになります。

今では雪室(ゆきむろ)は、雪を長期間蓄えて、温度を低く保つようにした冷蔵施設として広まっていますが、その手法を農業分野に広めたのは、私が6歳から3年間暮らした豪雪地帯のお隣さんの長男でした。年齢としては私よりも5歳ほど上の方です。

もう一つの例は、年間を通じて冷やすための膨大な電気が必要な施設での活用で、それはデータセンターの冷却です。企業などのデータを大量に保存、管理、処理するための施設だけに、電気代が大きなコストを占めています。

データセンターの電気代は運用コストの20%と言われた時代がありますが、電気料金の高騰で40%を超えるような状況にもなっています。その多くは冷却のためのコストで、最大で45%にもなっていると環境省が報告しています。

その冷却に雪室を活用しているところが増えています。私が知っているデータセンターの多くが、雪が多く降るところに設置されているのは、雪の有効活用も考えてのことです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕