日々修行217 よいことを見るために

自分にとって「よいこと」というのは、好きなこと、得意なことであることが多くて、嫌いなこと、不得手なことを「よいこと」としてあげる人は少ないはずです。

好きなことが得意であって、それによって利益があげられることであれば、これを突き詰めるのは嬉しいことで、これを“生き甲斐”として掲げている人もいます。

生き甲斐は、生きる甲斐のことで、生きることの喜びや張り合い、生きる価値を意味しています。生き甲斐については社会学的に、さまざまな定義づけがされていますが、日々修行の観点から考えるときに例としてあげたいのはアメリカのダン・ベットナーが発表した「IKIGAI」です。

ダン・ベットナーは長寿地域を意味する「ブルーゾーン」の概念を広めた研究者として知られています。

沖縄の長寿の理由として、環境や食べ物が多くあげられる中、『ナショナル・ジオグラフィック』との共同調査によって「生き甲斐」の重要性を世界に向けて発表しています。

生き甲斐は日本語独自の表現であることから訳しにくく、「IKIGAI」が使われました。

生き甲斐を構成する4要素は「得意なこと」「好きなこと」「社会が求めていること」「稼げること」です。得意なことは専門性と情熱、好きなことは情熱と使命、社会が求めていることは使命と天職、稼げることは天職と専門性が、それぞれ必要としています。

この4つのうち1つでも欠けていると、「IKIGAI」にまで醸成しにくく、健康や長寿を望んでも達成しにくいと説明されています。これは健康などに限ったことではなくて、人生や学習の成果などを理解するためにも重視されています。

自分にとっての4つの要素を考えて、無理もせず、無駄なことも避けて歩んでいくことがよいのはわかっていても、実際には何をすればよいのかわからない、わからないから始めないという人が少なくないことは承知しています。

評判を点数化するグルメサイト、映画やDVD・Blu-rayの映像作品に評価ポイントをつけるサイトなどと同じ仕組みがあれば簡単なのでしょうが、よいことを見るための方法のガイドというのは存在していません。

さまざまなガイドは成功例だけでなく、失敗例も参考にして作られていて、その失敗をしないようにチェックしていくことで成功に導くという手法が取られています。有能なAI(人工知能)も同様で、成功例だけを積み重ねていった成果よりも、失敗例も交えたほうが性能が高まっていくことが知られています。

何がよいことなのかの的確な判断は経験と挫折、もしくは挫折とまではいかなくても失敗した体験と、そこから回復した経験が重要となります。

この観点からすると、私には悪いことを嫌というほど見てきた経験があり、それがよいことを見るために役立つのではないかと思っています。誰のために役に立つのかというと、自分のためではなくて、失敗を活かした“よい目”(目利き)を育てるために役立ててもらいたいという考えをしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕