日々修行244 障害児の一般的な認識との違い

発達障害児の支援活動については、岡山に移住してから取りかかりました。それは講習会の開催、団体設立、役員としての活動でしたが、もう一歩踏み込んでの活動が本日(2025年5月1日)から始まりました。

それは発達障害児支援施設の運営で、私が関わっている会社が私の住まいから歩いて1分のところに新規活動として支援施設を開所しました。この場所は狙いがあったわけでも、特に願ったわけでもないので、何かの巡り合わせということでしょう。

発達障害児の公的な支援には医療の世界と福祉の世界の取り組みがあるのですが、一般に発達障害児の支援としてイメージされているのは通所施設の放課後等デイサービス(小学生から高校生までが対象)と児童発達支援(未就学の子どもが対象)です。

私が監事を務めるNPO法人は、医療スタッフによる児童発達支援が中心で、岡山市内に3事業所、隣接の市に1事業所を運営しています。

新たに開所された支援施設は放課後等デイサービスや相談支援事業が中心で、主な事業が重なっていないので、友好的に進めていけそうな関係性にはあります。

発達障害児支援施設は、発達障害と診断された子どもを対象としていて、発達障害児は障害児の一つとされています。障害者の一般的な認識は、どうしても身体機能に障害がある人のように思われがちですが、発達障害は、それとは異なっています。

身体障害や精神障害は周りから見て、他とは違うことが認識されやすいところがありますが、発達障害は身体機能の障害とは大きな違いがあります。

発達障害の名称は病名にも法律(発達障害者支援法)にも使われています。神経の発達が遅れがちであるために得手・不得手の凸凹(でこぼこ)が環境や周囲の人との関わりのミスマッチを招き、対人関係やコミュニケーション、行動や感情のコントロールがうまくできずに、社会生活に困難が生じやすい状態を指しています。

これを私たちは、神経発達のズレであるとの認識を持って、不得意なことをカバーする(凹を埋める)と同時に、それ以上に得意なこと高める(凸を伸ばす)ことに力を注いでいく活動に取り組む必要があると考えています。

発達障害がある(診断された)子どもは、そのまま発達障害児とされるわけではありません。

発達障害者は18歳以上、発達障害児は18歳未満と年齢によって分けられています。これは一般的な解釈であると同時に、発達障害がある人を支援するための法律である発達障害者支援法にも示されています。

発達障害者というと、発達障害の状態があると診断された人を示していると思われがちですが、発達障害があるだけではなく、それと同時に社会的障壁によって日常生活や社会生活に制限を受けている人のことを指しています。これは2001年に施行された発達障害者支援法の第二条(定義)に示されています。

社会的障壁という用語は、発達障害がある人が日常生活や社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものを指しています。

発達障害がある人が暮らしにくいのは、その人に原因があるわけではなく、社会的障壁がなければ、発達障害があっても生きにくいような状況にはならない、という考え方が根底にあります。

発達障害は、子どものときの特性が、そのまま成人になっても継続するという特徴があります。成人になると、社会生活への慣れもあって、子どものときのような極端な反応は見られなくなることが多いものの、従来のままの社会との交流が苦手であるという特性は続いています。

発達障害の改善には、できるだけ早い段階で的確な支援に取り組むことが重要であり、そのためには単独ではできないこともあり、多くの施設や関係者が協力して取り組んでいくことが求められているのです。

それと同時に進めていかなければならないのが、一般の理解であり、それを同時に進めていく活動も、本日から始まったという認識をしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕