「仕事を断らないでこれたのは妙な才能があったから」と言われたことがあります。“妙な才能”というのは、依頼された仕事は断らないということで、どんな無理なことでも耐えてこなしていくという修行のような感覚がありました。
出版やテレビ番組は“貸し借りの世界”がまかり通っていて、出版(書籍や雑誌など)では新たに仕事を依頼してくるのは何か事情があってのことです。その事情の中には切羽詰まった事情もあります。
その依頼を受けることは、仕事が少ないときには書かせてもらって助かるという気持ちもあるのですが、依頼してきた人にとっても助かることだというのは、よくわかっていました。引き受けてくれる人を探すことを依頼されたことがあり、それが大変なことであることは身をもって経験してきました。
新たな仕事をもらうということは、新しい経験をして、これまでとは違う修行の場を与えられるということで、「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言われるのは、まさにその通りだと思っています。これは若い時だけでなく、今も継続している感覚です。
ただ、同じ仕事をしているなら、その量が増えたとしても限界はあって、新たな仕事を入れようにも入れられないということはあります。ところが、別の世界の仕事をしていて、それぞれの人脈が重なっていないと、融通が効かないことになるので、それこそ“寝る暇がない”というのは当たり前のように経験してきました。
まだまだ体力と気力が充分にあった50代までの話ですが。今では寝る時間を完全に確保して、そのために断るしかないということもあるのは年齢的に仕方がないことです。
自分が関わってきたことは、いつ仕事がなくなるかわからないという不安定そのものの仕事であったので、常に3つの活動を並行して進めていないと、それこそ不安で不安で仕事が手につかないということになりかねいという気持ちがありました。
このことについては、次々回(日々修行32)に続きとして書くことにします。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕