日々修行4 武者修行の日々

今さら生まれたときのことを聞いても仕方がないと言われることがあり、それが多々あることから、この世に生まれ落ちた寺院のことは絶好の機会を見つけて文にしていこうと思っています。

誕生したときのことを知って、その人の人生、業績の意味を知ることができるのは、お釈迦様の生誕逸話くらいのものです。お釈迦様は誕生したときに、いきなり立ち上がって歩き、右手を天に、左手を地に指し、「天上天下唯我独尊」と言葉を発したと伝えられています。

そのときの言葉は、「宇宙の中で自分より尊い者はいない」と解釈されることがある一方で、「ただ一人、誰とも代わることがない尊い存在」と解釈されることもあります。お釈迦様が独善的な考えを示されたとは考えにくいことから、後者の意味であると一般には理解されています。

自分にとって、まるで第二の誕生とも言えることがあったのは、7年半ほど前に60歳を超えて縁も所縁(ゆかり)もない岡山に700km以上の移動距離での移住をしたことです。

なぜ岡山に移住したのかと聞かれることは、初めに会った人だけでなく、何年か岡山の地で付き合ってきた人からもよく聞かれることです。私がやってきたこと、私の背景を知った方からも改めて“なぜ”という質問があります。

武道を通じて知り合った方には「宮本武蔵の生誕地が近いから」(複数の説があるものの岡山の「美作国宮本村」が江戸後期から知られる出生地)と返答したり、「移住前に訪問した先で最も多かったから」(全都道府県の中で出身地の新潟県を除くと15回と最も多い)と返答したりしていますが、本当の移住の理由は別にあります。

ちなみに武道としては父や叔父の影響を受けて、剣道、居合道、柔道、空手、少林寺拳法、そして武道と言っていいのか疑問はあるものの、逮捕術を経験してきました。武道の関係だけでも修練修行や大会参加で、12の府県を訪れました。

別に武者修行をしたわけではないのですが、多くの土地を訪ねて、多くの人と交わることは自分にとっては修行となりました。それは強くなるため、上手くなるための修行ではなく、人間性を磨く機会であったと感じています。

これまでにない新たな経験をして自分を磨いていくことを武者修行とするなら、これまでと違う世界に足を踏み入れることは、まさに武者修行の感覚でした。その違う世界については大きくまとめただけでも出版、音楽、芸能、テレビ、IT、臨床栄養、運動、福祉などで、“など”も含めて、これから修行の結果として書き残していければと考えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕