記念日は業界を盛り上げることが目的とされることが多く、実際の売り上げと結びつけるというのは、なかなか難しいことだと言われてきました。そこに果敢にチャレンジしたのが食品の健康効果にスポットを当てて売り上げを伸ばした記念日イベントで、私はメディアと食品業界、食品流通の世界をつないでいくことを担っていました。
その記念日イベントの始まりは2002年のことでした。全国納豆協同組合連合会が機能性を打ち出した広報イベントと、イベントを核とした取り組みを行うために納豆PRセンターを創設しました。
それまでは納豆は価格で競争するところがありましたが、機能性・有効性を知らせることによって販売促進を目指すという活動の転換期でした。その機能性・有効性の告知に、私が経験してきた食品と臨床栄養の知識と人脈を役立たせることができるとの判断から、広報活動に指名されました。
「納豆の日」(7月10日)の記念イベントの企画運営、研究成果の発表(当時は健康科学情報センター所長として)を担当しました。全国広報として、毎月のリリース発行(メディア、流通業界)、年1回の広報資料の発行、専用ホームページの作成、テレビ番組・雑誌記事に関わってきました。
毎月のリリースはメディアだけでも300か所以上に発送していました。新聞記事の掲載が早くて、新聞記事は雑誌の記事の参考にされることが多く、テレビ番組の企画は雑誌記事が参考にされることが多かったことから、新聞記事にしてもらえるリリースの書き方が重視されました。
初年度は納豆の健康効果だけでテレビ番組になっていましたが、次の年には納豆と混ぜる食品の相互効果が求められるようになり、そのときに私が提案したのは納豆キムチでした。
この流れが成功して、テレビ番組でも盛んに納豆の有効性が取り上げられるようになり、当時は下がり続けていた納豆業界の売上をプラスに転じることができました。
この手法は他の食品業界にも注目されて、2003年には日本豆腐協会の豆腐PRセンターを創設して、「豆腐の日」(10月2日)の記念イベントの企画運営、全国広報(リリース毎月発行、広報資料の発行、専用ホームページ、テレビ・雑誌)を担当しました。
また、2004年には日本豆乳協会の豆乳PRに参加して、「豆乳の日」(10月12日)の記念イベント、全国広報(テレビ・雑誌)に関わりました。
納豆、豆腐、豆乳は、どれも大豆が原材料で、栄養摂取の記事を作るのは、それほど難しくはありませんでした。3つの広報が重なった時期は3年間あり、これの活動によってメディア広報のノウハウを蓄積することができました。
その経験からすると、現在の各社の食品広報は気になることが多く、広報にかけた費用の割には結果につながらないという声が出るのも当たり前と感じています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕