2002年に健康食品・サプリメント業界には大きな転換点となる出来事がありました。それは厚生労働省が「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的な考え方について」の通知を出したことです。
これは、食品成分の機能と活用法について理解し、正しく情報を提供できるアドバイザリースタッフの意義と、習得すべき知識と養成方法について提案し、消費者に適切な情報を提供することを目指した制度です。
その検討委員として、アドバイザリースタッフ制度の構築に参加しました。
複数の団体が通知に従った養成制度を始めましたが、国立健康・栄養研究所のNR(Nutrition Representative:栄養情報担当者)の関連法規講習を担当しました。
また、私が主任研究員を務めていた病院栄養管理HDS研究所の所長が日本臨床栄養協会の副会長であった関係から、同協会のサプリメントアドバイザー認定制度の構築にも参画しました。
両資格は合併され、現在はNR・サプリメントアドバイザーの資格認定講習となり、日本臨床栄養協会が運営しています。
このほかに多くの団体が独自のアドバイザリースタッフの資格認定を実施していますが、NR・サプリメントアドバイザーと並ぶ内容として人気があるのは日本健康・栄養食品協会の食品保健指導士(健康食品販売事業者系)、日本食品安全協会の健康食品管理士(薬学系)です。
各団体のアドバイザリースタッフを合わせると2万人以上はいる状態ですが、20年以上が経過して、実際にアドバイザリースタッフの社会的役割である肝心なことが達成できたのかというと、残念ながら未達成です。
その社会的役割というのは、適切な情報を提供された消費者が自らサプリメントを選んで、効果的に使う方法を身につけられるようにするということです。
このことを達成するには、アドバイスを受けるだけでなく、自分で選んで正しく使えるようにするために知識が必要です。
それを目指して、必要と言ってくれる方に正しく伝えるための講習テキスト「サプリメントスペシャリスト」を用いて話をさせてもらっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕