メディカルダイエットは、臨床栄養の世界では以前から使われてきた用語で、やせる、痩身とイメージされがちなダイエットを正しい意味で使うことを目的として命名され、普及に努められてきました。
ダイエット(diet)は、食事療法を意味していて、何もやせること、体脂肪を減らすことだけが目的ではありません。健康維持のために体脂肪を減らしたほうが人の場合には、摂取エネルギー量を減らす食生活がすすめられます。
これとは逆に体脂肪を増やしたほうがよい人の場合には、摂取エネルギー量を増やす食生活がすすめられます。体脂肪が標準範囲よりも少ない状態では免疫の低下、血流の低下、血液温度の低下、エネルギー発生量の低下といったデメリットが生じることになります。
ダイエットの元々の意味は方針、戦略、作戦などで、方針通りに正しいことをすることがダイエットとなります。英語では国会は「the Diet」で、方針や戦略を決めるところです。そこから転じて正しい食生活がダイエット、運動療法もダイエットとなりました。
ダイエットの前にメディカルをつけたのは、医学や医療の研究や実践の意味を持たせたかったからで、医学的に裏付けられた方法を使って、効果的に体脂肪の“増減”を無理なく、無駄なく実現することを目指してのことです。
その活動を特定非営利活動法人(NPO法人)として実施するために、日本メディカルダイエット支援機構の名称で内閣府に認証の申請をしました。2008年のことです。今では認証は全国活動では都道府県、地域活動では市区町村の所管となっていますが、私どもが申請をした時期は全国活動は内閣府が所管でした。
申請して活動内容が問題となることはなかったのですが、名称に疑義がありました。今では公序良俗の面で問題がなければ名称で引っかかることはないのですが、当時は制度が始まって間もないこともあり、名称の説明を求められました。
そのときに言われたのは、役員に医師がいないのにメディカルと名乗ってよいのかということで、それについてはメディカルの意味を滔々と述べました。次に言われたのはメディカルダイエットの名称で収益活動を行うと勘違いされないかということでした。
そう言われる理由はわかっていて、当時の私は健康食品・サプリメントの表示の法律講師をしていたこともあって、“メディカルダイエット印”の商品を販売することが効能効果を標榜することになることへの懸念でした。
この点を話し合って、公益活動の教育と情報発信だけに限っての事業で、収益活動をしないことで“手を打ってもらった”という経緯があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕