スポーツ選手の体脂肪コントロールのタイミングダイエットに私の考えが受け入れられたきっかけについては前回(日々修行78)紹介しましたが、簡単なことではなくて、専門家の間に入って、自分の立ち位置を取っていくのは、なかなか大変なことでした。
スポーツ選手のための栄養管理は、一般にはスポーツ栄養学と呼ばれていて、これは大学の講座の一つにもなっています。スポーツ選手のためだけでなく、健康づくりや生活習慣病の予防・改善のために運動をすすめられている人に対しても栄養指導が行われます。
私が主任研究員を務めていた病院栄養管理HDS研究所は病院出身の管理栄養士が中心でしたが、メンバーには慶應義塾大学病院の食養管理室の出身で、同大学のスポーツ医学研究センターの栄養担当の管理栄養士もいました。
その関係で学ばせてもらったのは、運動科学としての栄養学で、中でも力を入れていたのはエネルギー代謝科学でした。運動と食事のタイミングについては、筑波大学の先生方から学ばせてもらっていましたが、エネルギー代謝を高めるために運動と食事だけでなく、これに入浴も加えることによって、さらに代謝を高める方法でした。
自律神経は自分の意思では調整できないものですが、温度によって交感神経と副交感神経の切り替えをすることは可能です。中でも効果があるのは入浴で、温度が38℃以下では副交感神経の働きが盛んになり、42℃を超えると交感神経の働きが盛んになります。
交感神経に切り替えた後での食事と運動、副交感神経に切り替えた後での食事と運動で体脂肪のつき方が変わってきます。消化と吸収は副交感神経で盛んになっていくので、体脂肪を減らしたいときには熱めの温度での入浴、逆に体脂肪を増やしたいときにはぬるめの温度での入浴が効果的となります。
詳しい説明はメディカルダイエットに関わる講習で伝えさせてもらっています。
このタイミングを理解して、実践できるようになるまでは、入浴の温度を切り替えて、日に何度も入浴やシャワーによって自分の身体で確かめてきました。タイミングによる切り替えは年齢によっても変化していくだけに、温度に変化による研究は今も続けています。ただの入浴好き、綺麗好きと思われがちなことではあるのですが。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕