食事の栄養摂取のバランスを100kcal単位で考える方法は、臨床栄養の世界では「ダイエットデザインハウス」と呼ばれ、長く普及に取り組まれてきました。普及が盛んになったのは今から40年以上も前のことであるのに、いまだに栄養学の世界では80kcalという理解しにくい数字が単位として採用されています。
100kcalを栄養の単位として考える方法は一般には理解されやすいのですが、栄養学を学んだ専門家である栄養士は、なかなか理解してくれません。今から70年以上前に栄養計算の単位が80kcalとされてから、それだけを学んできているので、受け入れられないという気持ちが強いようです。
その経緯については「日々修行83」で紹介しました。
食事で摂取するエネルギー量を100kcalで考えることは頭を切り替えることさえできれば可能なことですが、運動などによって消費するエネルギー量は100kcalで考えるのは、これまでは難しいとされてきました。
運動や日常活動によって消費されるエネルギー量は、性別、年齢、体重などによって差があって、例えば10分間、ウォーキングをすると、どれだけの消費エネルギー量になるのかは、かなりのバラツキがあります。そのため、概要の数字で示されることが多くなっています。
一般には、摂取エネルギー量はエクササイズという単位が使われていて、座っているときのエネルギー消費を1エクササイズとして、その何倍の運動量になるかが示されています。普通の歩行は3エクササイズとされています。
エクササイズの計算式は、「消費エネルギー量(kcal)=体重(kg)×METS×運動時間(h)×1.05(係数)」となっています。
体重50kgの人が30分間ジョギングをした場合は、「50(kg)×6(METS)×0.5時間×1.05=157.5kcal」となります。
この計算式を使って、100kcalを消費するには、どんな運動を、どれだけの時間かければよいのかを計算する方法があります。その計算(逆算)の方法については、次回(日々修行87)に紹介します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕