発達栄養学は、性別、年齢、活動量だけでなく、個々の身体の成長や発達に応じた能力を発揮させる栄養学であるということを前回(日々修行88)紹介しました。
栄養学を学ぶことができる大学でも、発達栄養学を冠した学部・学科も増えてきました。発達栄養学という名称に相応しい講義が実施されている大学がある一方で、以前と大きく変わらない内容のままという大学も少なからずあります。
個々の成長や発達に必要な栄養素を摂取するのは当然のこととしても、その栄養素の意味合いとしてエネルギー代謝の向上を掲げているのが発達栄養学の、これまでとは違った考え方となっています。
エネルギー代謝が特に注目されるようになったのは、メタボリックシンドローム対策として栄養の過剰摂取を抑えると同時に、運動によるエネルギー消費を高めるが重視されるようになってきたタイミングです。その始まりは2008年のことです。
メタボリックシンドロームは「内臓脂肪症候群」と訳されて、内臓脂肪の過剰な蓄積が血管の健康に関わる血圧、血糖値、中性脂肪値などに影響を与えることが強調されました。
メタボリック(metabolic)は代謝を意味します。シンドロームは症候群と訳され、原因不明ながら共通の病態を示すことを指しています。シンドローム(syndrome)の原義は同時進行で、メタボリックシンドロームでは何が同時進行で起こっているのかというと、それは代謝機能の低下です。
メタボリックシンドロームが「代謝機能低下症候群」だとすると、エネルギー代謝を高めることこそが余分な内臓脂肪を減らし、血管の健康を守ることにつながります。エネルギー代謝はエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を効率よくエネルギー化させることで、そのエネルギー代謝が行われるのは全身の細胞の中にあるミトコンドリアです。
ミトコンドリアにエネルギー源が効率よく取り込まれ、多くのエネルギーを発生させるためには、ビタミンCを除くすべての水溶性ビタミンが必要になります。一般にエネルギー代謝に必要とされるビタミンB群やミネラル(マグネシウム、亜鉛など)を補うだけでは不十分ということです。
2008年のメタボリックシンドローム対策が始まる前に、代謝促進成分が医薬品から食品成分として厚生労働省から許可されるということがあり、これがエネルギー代謝科学への関心を高めることになりました。
その代謝促進成分は、これまでにも紹介してきましたが、2001年に許可されたコエンザイムQ10、2002年に許可されたL‐カルニチン、2004年に許可されたα‐リポ酸です。
このうち内臓脂肪の蓄積に最も関わりが強いのはL‐カルニチンです。L‐カルニチン研究の第一人者は王堂哲・工学博士で、王堂博士は日本メディカルダイエット支援機構の副理事長でもあります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕