歩くことは、ほとんどの人が可能な最も挑戦しやすい運動で、自由に始めることができるものの、一定の距離や時間を目的にするためには、日本ウオーキング協会が主管するウオーキング大会は意義があるものでした。
大規模な大会や市町村内などの例会は、自治体の住民だけでなく、医療関係者にとっても大切な場でした。検査によって血圧、血糖値、中性脂肪値などで異常が認められると、生活習慣の改善として医師から歩くことがすすめられます。
どのような歩き方をすればよいかは医師から示されることは少なく、リハビリなどの運動スタッフからも的確な歩き方を示されることは極めて少ないという実態があります。その代わりに、医師などからウオーキング大会への参加がすすめられることもあります。
しかし、大会はお祭りの意味合いがあることから正しい歩き方を指導する場ではなく、例会においても生活習慣病の対策のための正しい歩き方が示されることはありません。
日本ウオーキング協会は健康ウオーキング指導士などの資格認定教育を行っていますが、その内容はウオーキングイベントの実践のための知識が中心で、健康面の項目も安全にイベントを開催するための全体的な話であって、それぞれの生活習慣病に適した歩き方を学べる場とはなっていませんでした。
参加する各人の状態や目標などに合わせた的確なウォーキングスタイル、適した歩き方を身につけることができる新たなウォーキングの場が求められていることから、その実践の場として健康をテーマとしたウォーキングの活動を岡山県内で始めてみました。
実践してみてわかったのは、ウォーキングに参加したいと願っている方々は、歩く技術だけでなくて、医学、医療、介護、運動科学、栄養学など求める範囲は広く、個人によって特に知りたいことが異なっています。
イベントとしてのウォーキングは、団体や自治体などに任せることにして、個人の希望に合わせた歩き方として生活習慣病の予防と改善、ダイエット目的など、狭い範囲の目的に合わせたウォーキングの普及を始めました。
その狭い範囲の活動は、私の体調もあって充分とはいえないものの、メディカルダイエットを補う程度であれば、自分が歩ける限りは続けられそうということで、毎日、違った歩き方の研究を続けています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕