ウォーキングと健康の関係性について、「歩ければ健康」「健康だから歩ける」という表現をしていた研究者がいました。私が知り合った当時は国立大学の体育系の教授であり、ウォーキングの学会の理事長も務めていたので、これは序の口の導入部で、わざと話しているのかと思って次を期待していたのですが、それ以上の話を聞くことはできませんでした。
ウォーキングは誰もが簡単に実践できる健康づくりの運動法として多くの国民に受け入れられるとともに、生活習慣病の予防・改善のために医師をはじめとした健康づくりに関わる多くの専門家によって推奨されています。
ウォーキングは自然環境を楽しみながら継続することができる全身運動の有酸素運動であり、高齢者や運動不足の中高年などの体力増進や心肺機能の向上といった効果が、まずはあげられます。
そればかりでなく、生活習慣病と運動科学の研究科学が進むにつれて生活習慣病予防のみならず、介護予防、認知症予防までを可能とする機能トレーニングとして期待されています。
健康ウォーキングの種類としては、心臓機能を高めることを目的としたパワーウォーキング、心肺機能の向上を目的としたエクササイズウォーキング、生活習慣病予防やダイエット目的のフィットネスウォーキング、2本のポールを用いたより全身運動の効果が高いノルディックウォーキングなどがあります。
目的や方法は異なっていても、通常のウォーキングよりも身体負荷が高く、それぞれの目的に対応した医科学的な検証も行われています。身体負荷が高まるほど高齢者や身体機能が低めの方々には継続しにくいことも指摘されていて、目的に応じた効果的な歩き方の実践指導が求められ、研究が続けられてきました。
これについては次回(日々修行96)、後半を書かせてもらいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕