日本人は乳酸菌の健康食品が効きにくい

乳酸菌の健康食品は腸内細菌の善玉菌と同じ働きをするので、乳酸菌を摂ることは善玉菌を増やしたのと同じように腸内環境が整えられる、とよく説明されています。これは間違いではないのですが、生きたままの乳酸菌は腸内では1〜2日ほどしか生きられないので、乳酸菌がそのまま善玉菌になるのではありません。乳酸菌は酸性の代謝物を出して、腸内を酸性に傾かせていきます。善玉菌は酸性の環境で増えやすく、その環境では悪玉菌は増えにくい性質があります。乳酸菌が腸内で生きている間に酸性環境にすることで、善玉菌が増えるので、あたかも乳酸菌が善玉菌として腸内で増えたのと同じことになるのです。
乳酸菌の健康食品を多く摂れば、それで善玉菌が効果的に増えるのかというと、日本人は腸の温度が低く、乳酸菌も善玉菌も増えにくくなっています。腸の温度は血液の温度に影響されていて、日本人は欧米人とも北方系のアジア人(中国、韓国、モンゴルなど)よりも1℃ほど血液温度が低くなっています。悪玉菌は腸の温度が低くても高くても増え方に大きな差はないのですが、善玉菌は腸の温度が高い状態で増えていきます。だから、日本人は善玉菌が増えにくく、腸が温まるように血液の温度を少しでも高める必要があります。
血液の温度を高めているのは細胞のミトコンドリアで作られるエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)です。ATPのうち基礎代謝に使われるのは約70%で、基礎代謝のうち約70%は体熱となります。つまり、約50%は身体を温める熱となっているので、ATPが増えると血液の温度も高まっていきます。ATPを増やすには三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10が必要になります。この3成分については、このサイトの「サプリメント事典」をご覧ください。