日本人は冷えやすい体質

日本人の体質の研究は、メディカルダイエットの研究テーマの一つです。同じ方法を実施すれば同じ結果が得られるというメソッドは、健康づくりには強いコンテンツになることは充分に承知しての発言ではあるのですが、私たちの実践方法は、あれてメソッドとは呼んではいません。というのは、日本人を対象にしているといっても、身体の微妙な仕組みとメカニズムは単に日本人という国籍であれば、同じような反応をするわけではないからです。
同じアジア人であれば、そう大きくは変わらないのではないか、と言われることがあります。欧米人からすると相当に広いアジア全域の人も同じように見えることがあります。ましてや東アジアの日本人、韓国人、中国人となると、まったく同じように見えて、顔だけでなく、身体の反応も同じだと考えるのも仕方がないことだと思います。
しかし、実際には日本と最も近い韓国であっても、そこに住む人の体質は大きく異なっています。北方系民族は身体を温めるために大きなエネルギーが必要であるために、エネルギー代謝がよい体質となっています。体内で発生するエネルギーのうち70%ほどが基礎代謝で、その基礎代謝の70%ほどが体温を維持するための熱エネルギーに使われています。70%のうちの70%なので掛け算で49%、つまり約50%は体温維持に使われています。
半分が体熱産生に使われるというのは日本人の話だろうから、日本人よりも寒いところで暮らす人なら、もっと多くのエネルギー比率になるのかというと、実は大きな差はありません。歴史的に寒いところで暮らしてきた民族は、同じだけのエネルギーを使ってもエネルギー効率がよいので、温まりやすいのです。
逆にいうと日本人はエネルギーを使っても温まりにくい体質ということで、血液の温度が欧米人や北方のアジア人と比べると1℃ほども低くなっています。そのために血流が低く、血液中で脂肪が固まりやすく、それが血糖値や中性脂肪値などが高くなり、さらに代謝が低下しやすいという根本的な弱点を抱えているのです。日本人の健康づくりを考えるためには、こういった体質を考慮しないといけないということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)