高齢者は1日に8000歩を目標に歩き、そのうち20分間は中強度の歩行が健康づくりに効果があるということは今ではそれなりに知られるようになってきましたが、これが発表されたのは中之条研究です。これは群馬県中之条町のすべての高齢者(歩けない人を除く)を対象にした調査の研究成果ですが、中強度の歩行というのは息が弾んでも、なんとか歩行中に会話ができる早歩きのことを指しています。
高齢者の場合には、歩くことに問題はなくても、早歩きとなるときついという人が増えてきています。そこで日本メディカルダイエット支援機構では早歩きのために高齢者にすすめているのはポールを用いたウォーキングです。2本のポールを用いたウォーキングは一般にはノルディックウォーキングとポールウォーキングに大きく分けられて語られていますが、高齢者の歩行だからポールを前について歩くポールウォーキングのほうが適していると言うつもりはありません。
ポールウォーキングとノルディックウォーキングは用いるポールのグリップとポールの先のゴムの形が違っていますが、どちらも北欧で始まったポールを用いた歩き方が発祥となっているので、どちらもノルディックスタイルのウォーキングであるとして区別はしていません。そのときの歩き方や用途によって使い分けすればよいという考え方をしています。
ポールを用いたウォーキングの体験会や指導会に行くと、自分たちがやっている方式ではないといって断られたり、うまく参加できなかったりということもあると聞くことがありますが、そういったことを私たちはしていません。目的に合った速歩のサポートになればよいというスタンスです。
ポールを使って歩くと、ポールの支えと腕の力も使われるので歩行が楽になり、早く歩くことができるようになります。それだけでなく、しっかりと上体も使って歩くことによって消費エネルギー量が20%ほども高まることが知られています。ポールを使っても、普通の歩行スピードしか出せない人であっても、運動量としては中強度で歩くことができます。つまり、ポールを用いた歩き方そのものが健康増進に適した運動量となるので、1日に20分ほどでもよいのでポールを使って歩くことをすすめているのです。