1日に3食を食べるのは当然という考えは、今では古い常識になってしまったのか、厚生労働省の国民健康・栄養調査の結果を見ると、男性の15.0%、女性の10.2%が朝食で何も食べていないか、飲み物だけ、錠剤(サプリメント)だけという状況です。20代では男性は30.6%、女性は23.6%にもなっています。
1日に3食ではなくて、2食であっても1日に必要な栄養素が摂れていれば特に問題はないと考える人もいます。栄養摂取的には不足がなくても、抜いた1食が、どの食事なのかによっては全身をコントロールしている脳が栄養不足になって、それが免疫にも影響してきます。
人類の長い歴史を見ると、1日に3食を食べるようになったのは、まだ数百年のことです。1日2食の時代が長くて、食べていたのは朝食と夕食です。日本でも国民的に1日3食になったのは江戸時代の中期のことで、武士や貴族のほかは昼食を食べていなかったのです。日が昇ったら朝食を食べ、日が沈む前後に夕食を食べて、その間に空腹を感じたら少しだけ食べ物を入れるという生活でした。
1日に2食といっても、朝食を抜くことはなくて、その食生活のために人間の身体は1日に2回の栄養摂取で生命維持のためのエネルギーを充分に作り出せるようになっていきました。1日に2回、摂らなければならないのはビタミンB₆とビタミンB₁₂です。糖質、脂質、たんぱく質をエネルギー源にして細胞の中のミトコンドリアでエネルギー産生を行うためには、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂がセットで揃っている必要があります。ビタミンB₁とビタミンB₂は体内で24時間保持されますが、ビタミンB₆とビタミンB₁₂は12時間ほどしか保持されません。そのために、朝食と夕食を食べて、この2種類のビタミンを摂らないといけないのです。
外敵と戦う免疫は免疫細胞によって行われています。免疫細胞の白血球もリンパ球も細胞の中で作り出されたエネルギーを使って活動しています。そのエネルギーが充分に作られないのでは、いくら免疫強化によいとされることをしても、望むような効果が得られないことになるのです。