桃太郎を歌いながらウォーキング

ウォーキングの認知症予防の効果を高めるためには、ただ歩くのではなくて、頭を使いながら歩くことがよいというのは、さまざまな研究によって明らかにされています。「頭を使いながら」といっても、歩くことに頭を動かしてバランスを取るというようなことではなくて、使うのは脳です。ウォーキングの認知症予防効果を高めるために、歩きながら計算をしたり、俳句をひねりながらということをすすめている人もいます。歩いているときに脳を働かせるのは、ともに脳の記憶に関わる部分が刺激されることが、その理由とされています。
日本メディカルダイエット支援機構の相談役の久郷晴彦先生(薬学博士)は、講演の中で脳のためによいこととして俳句づくりの俳諧をあげたあとに、「はいかいと言っても、うろうろと歩き回ることではなく」と話して笑いを誘っています。徘徊はしたくはないので、しっかりと目的を持って歩くことの重要性を伝えるようにしていますが、計算や俳句を作りながら歩いてみると、周りの景色や道の状態への注意力が低下して、かえってよくないことも起こるという考えをしています。
それでは、何もしないで黙々と歩くのかというと、歩きながら会話をしたり、歩くときに歌いながらというのは脳を刺激するのに充分な活動です。普通に歌うのは当たり前すぎるので、私たちは「桃太郎」を唄いながらのウォーキングをすすめています。普通に「桃太郎」を歌いながらというのは誰でもできることだと思いますが、脳を刺激するためにメジャー(長調)の曲をマイナー(短調)で歌うと、それなりの刺激があります。これができるようになったら、次は曲と歌詞を入れ替えるという技に移ります。
これは「桃太郎」を歌った後に「桃太郎」の曲で「きんたろう」の歌詞を歌います。それに続いて「きんたろう」の曲で「桃太郎」の歌詞を歌います。いきなり歩きながら、この方法を行うのは難しいという人が多いので、歩く前の座学講習で挑戦してもらっています。

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