次々と健康法を変えていくと、どうなるか

“別れても好きな人”という歌謡曲がありますが、“別れたら次の人”というギャグもあって、替え歌にも使われています。このギャグのような行動はよくあることで、“次の人”ではなく“次の方法”という例はダイエット法でも健康法でも見られることです。一つの方法に心酔して取り組んだものの、期待するような効果が得られなかったら、急に恋人との別れのようにスッパリと諦めて、次を求めるということですが、やめて次を求めてもよいことと、続けたほうがよいことがあります。
続けることは何かというと、健康の維持・増進の基本となる栄養と運動です。例えば、免疫を高めて病気に負けない身体になることを願っている人が、免疫細胞の栄養源になる多糖類が含まれたキノコなどを食べていて、思ったような効果が得られなかったときに、これをやめるのではなくて、他の種類の免疫に効果のある成分も摂ることを考えるべきです。免疫細胞は血流がよいことで全身の隅々に駆けつけることができます。となると、血流を盛んにする効果が期待される成分をプラスすることも考えたいものです。
免疫細胞の活動は、細胞の中で発生するエネルギーが多いほど高まっていくので、細胞のミトコンドリアで三大エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を燃焼させるエネルギー代謝を促進する成分の摂取も考えるべきです。その成分はα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10です。
話は変わりますが、中国の大学病院を取材したときに、免疫が低下した患者のために医薬品や放射線を使うだけでなく、漢方薬、気功、温熱なども利用して複合的に対応していました。中国だから漢方も使うというよりも、漢方の国に西洋医学が後になって入ってきたので、西洋医学が中心となった今でも治療には西洋医学も東洋医学も普通に使っています。医療従事者の目的は患者を治すこと、患者の目的は治って再発しないことであるので、その目標に沿ったことなら、なんでも実施するというスタンスです。
目の前の病気を治すことができても、そのために身体を傷めて、寿命が短くなったとしたら本末転倒です。治った後のことも考えて、負担を軽減するという考え方から複数の方法を取り入れているということも取材を通じて知りました。一つ、二つの方法で対処しようとすると無理がかかることにもなり、副作用が起こりやすくなります。そこで複数の方法でアプローチすることによって副作用のレベルを下げて、組み合わせによる効果を高めようという姿勢です。
これは日本メディカルダイエット支援機構の「無理なく無駄なく」のモットーとも通じるところがあります。例は、がんのこととなりますが、西洋医学に心酔していた人が結果が得られなかったということで、いきなり東洋医学だけに切り替え、これでも結果が出なかったので、また西洋医学に戻ってきたときには手遅れ状態ということがありました。「なぜ、全部をやめるのではなく、必要なところは残して、他の方法も取り入れなかったのか」。これは私たちの意見ではなく、後になって残された家族の方が話していたことです。