正しいダイエットの評価は誰がするのか

正しい表示というのは基準があって、それに従っていれば“正しい”と認められます。日本メディカルダイエット支援機構の理事長は、食品表示の法律の専門家でもあり、食品の中でも一番表示が面倒とされる健康食品の表示や広告でも、「これが正しい」と言える定義を示すことは簡単だと話しています。それに違反すると医薬品医療機器法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、食品表示法、健康増進法、特定商取引法、不当景品類及び不当表示防止法、医師法などによって罰せられることになります。
食品・健康食品のように誰の目から見ても、これは正しい、これは正しくないと判断がつくものならよいのですが、ダイエット法となると、これが正しいと言うのは難しく、そのことが頑張って続けたのに効果が得られなかったという不幸な結果につながることにもなります。今はエビデンスの時代で、科学的に正しいと認められる方法で試験をして、一般的に認められる評価法を用いて判断されれば、これは正しいと判断できるかもしれません。
しかし、そう言った例は少なく、特別な(?)研究をした専門家(?)が、これが正しい方法で、自分が正しいと判断したのだから……という信じてよいのかどうかわかりにくいことも少なくありません。そもそも正しいことの根拠として示された試験方法や過去の学会発表などで定説となっているというのは、私たちなら見極めることはできても、研究発表を日々チェックして情報を更新していないと、一般的な常識をもっては、なかなか判断がつかないものです。
アメリカは、そういったことに対しては実にシビアで、正しくないこと、効果がないことにはお金を使わない、という態度がはっきりとしています。アメリカにはダイエットのデータベースがあり、一つのダイエット法が対象者(人種、性別、年齢など)によって、どの程度の効果があったのかの評価が行われています。その評価は一部の対象者の意見に従うようなことはなくて、複数の研究者が世界の論文、研究発表を収集して、分析して、信頼の置けるデータを載せているのです。
また、期間や回数によっての差も示されていて、自分に合った方法を選ぶことができるようになっています。つまり、自分に合ったダイエット法の中から効果があるものを選び、それくらい続けたら、どんな効果があるのかを知ることができるわけです。ダイエット法だけは、やってみないことにはわからないということではないのです。
だからこそデータベースを構築して、それを参考にして実践した集団のデータも積み重ねられていくことになります。一般向けに発表されるデータは各ダイエット法の有効性の評価ランキング(5段階評価の3など)ですが、専門家向けには人種、性別、年齢などによる評価ランキングとデータ、さらに個人の条件によって、どれくらいの努力が必要なのかという、実践者が本当に知りたいと思っているデータも載っています、そのデータベースは、成績がよかったものだけを選んでわけではなく、中には酷評されているものもありますが、日本では紹介されることもないようなデータが載っているのも、さすがにアメリカの研究データです。