歩いてやせるための筋肉は歩いてつける

“筋代謝力”という言葉があります。これは筋肉の能力の一つを表すもので、一般に筋力というと重いものを持ち上げるような力強さを示すもので、この他に筋持久力があります。筋力は筋肉の長さを変えないで発揮できる力のことで、重いものを持ち上げるなどして筋肉を刺激していくと最大筋力が高まっていきます。
筋力に影響を与えるのは文字通り白い色をしている白筋で、パワーは高いものの持久性が低くて、疲れやすいものです。早く動ける筋肉であることから速筋とも呼ばれています。いわゆる筋トレで鍛えているのは白筋で、筋肉を強く刺激することで筋繊維を太くしていくことができます。筋繊維というのは筋肉の細胞のことで、筋肉の細胞は細長い形をしていることから筋繊維と呼ばれています。
もう一つの種類の筋肉は赤い色をしている赤筋で、パワーは低いものの持久性が高く、疲れにくいので長く運動を続けることができます。動きが遅い筋肉であることから遅筋とも呼ばれています。白筋を使うことは時間的に限界があるのですが、赤筋は長く動くことからできるので、トレーニング方法によっては白筋よりも多くの刺激を与えることができます。その刺激によって鍛えられるのが筋代謝力です。
筋代謝力というのは、筋肉が動いたときに、どれだけのエネルギーを使うかを示したもので、そのエネルギーの元になっているのは糖質のブドウ糖と脂質の脂肪酸です。このエネルギー源を筋肉の細胞内で燃焼させてエネルギーを作り出しています。ダイエットを目的にした運動をしているときに減らしたいのは脂肪のほうで、これを減らすには脂肪酸の燃焼を進める必要があります。白筋はブドウ糖を多く使っています。それに対して赤筋は脂肪酸を多く使っているので、脂肪の燃焼能力を高めるためには赤筋を増やすことが重要になります。
赤筋を増やすためには、赤筋を刺激することが必要で、赤筋はウォーキングなどの有酸素運動によって増やすことができます。赤筋が増えれば有酸素運動によって燃焼する脂肪酸が増えていきます。歩くことでやせる身体にしていくためには、歩いて筋肉をつけることがよいというわけです。筋肉をつけるというと歩くよりも走ったほうが筋肉は刺激されます。
ウォーキングだけでなく、ジョギングもランニングも有酸素運動です。ジョギングは会話ができる程度の負荷のもの、ランニングは会話ができるレベルを超えた負荷のものを指しています。同じ有酸素運動なら走ったほうがよさそうに感じるかもしれませんが、赤筋は遅筋というくらいで、ゆっくりとした刺激が長く続くことによって、酸素を多く取り込んで動く必要があることから増えていきます。だから長く続けられる運動で、それも一定の負荷がかかったほうがよいので、同じ歩くのでもダラダラと歩くのではなく、早歩きをする、たまには息が上がるほどの早歩きを取り入れるという歩き方をすることで筋代謝力を高めていくことができます。
日本メディカルダイエット支援機構が指導・認定しているインターバルウォーキングは、まさに筋代謝力を高めて、ダイエットを成功させること、生活習慣病の予防・改善に役立てることを目指して実施しているものです。